研究課題/領域番号 |
16H03159
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鎌倉 慎治 東北大学, 医工学研究科, 教授 (80224640)
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研究分担者 |
松井 桂子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00302159)
川井 忠 東北大学, 大学病院, 助教 (50547263)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | トランスレーショナルリサーチ / 移植・再生医療 / 生体材料 / 複合材料・物性 / 歯学 / 骨再生 / リン酸カルシウム / コラーゲン |
研究実績の概要 |
1. リン酸オクタカルシウム(OCP)を人工合成し顆粒状に整粒し、ブタ皮膚由来アテロコラーゲン濃縮液と混練・凍結乾燥・ 成型作製後、熱架橋処理し、OCP ・コラーゲン複合体(OCP/Col)スポンジを作製した。また、OCP/Colスポンジに副甲状腺ホルモン(PTH)を添加・凍結乾燥し、OCP/Col・PTH複合体(OCP/Col/PTH)を作製した。 2. 間葉系幹細胞(MSC)を併用することでより迅速な骨再生が期待されることから、MSCを得るためにイヌ腸骨より骨髄穿刺針による吸引法にて骨髄間質細胞を回収した。 3. 成犬下顎骨離断モデルの作製を行なった。具体的には下顎骨離断手術に先行して第1期手術(抜歯手術:下顎前臼歯部)を行い、創部安静期間として一定期間経過観察する。そして第2期手術(試料埋入手術)として下顎骨体部に自然治癒の望めない臨界骨欠損を作製し、同部にOCP/Col等の試料を埋入し、病的骨折予防および咬合状態の保全のために再建用チタンプレートをスクリュー固定した。 4. 成犬下顎骨離断モデルにOCP/Col、OCP/Col/PTHを埋入し、一部の検体については骨再生能を検討した。具体的には術後の同一個体を経時的に歯科用X線写真撮影し、手術部における骨再生状況を検討した。あるいは摘出標本をマイクロCT装置で撮影し、それぞれの欠損作製部位での骨再生について検討した。さらに、摘出標本をメタクリル樹脂包埋の後、自動精密切断機、研磨機で非脱灰研磨標本を作製し、コンタクトマイクロラジオグラム(CMR)撮影し手術部における骨梁構造を観察した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究開始以前からの長年の研究の蓄積により、安定的な実験系の確立が大変難しかった成犬下顎骨離断モデルの再現性がほぼ視野に入って来た。 同モデル内にOCP/Colを埋入する実験は概ね順調に進み、今後OCP/Col群における骨再生能の解析が行われる予定である。 また、OCP/Col・PTH複合体(OCP/Col/PTH)の作製も順調に進み、本研究と並行して進めたOCP/Col/PTHを小動物に用いた骨再生研究によって、OCP/Col/PTHの骨再生能がOCP/Col単独を上回ることを見出し、本研究における大型動物の骨欠損でのOCP/Col/PTHの有効性についての検討が期待される。 一方、腸骨骨髄穿刺によって得られた間葉系幹細胞(MSC)の安定的な回収や増殖は道半ばであり、今後の課題と考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は成犬下顎骨離断モデルにOCP ・コラーゲン複合体(OCP/Col)を埋入した実験群について、摘出標本を用いてOCP/Colの骨再生能についてさらに検討を加える。 また、OCP/Col・PTH複合体(OCP/Col/PTH)埋入群についても同様に検討し、OCP/Col群の骨再生能との違いの有無について検定を進める。なお、場合によってはOCP/Colに添加するPTHの量についても検討を加え、臨床的に最適な量を模索したい。 さらにOCP/Colに間葉系幹細胞(MSC)を加えた系で研究を加速させて行きたい。そのために腸骨骨髄穿刺の手術手技を確立することで安定的なMSCの回収を行い、さらに汎用性の観点から自己血清を併用した培地での安定的なMSCの増殖を目指したい。
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