集積化電極アレイを利用した培養神経回路の電気活動計測により,即効性抗うつ効果を有する薬理活性物質の探索を行なった.有効であるが副作用ゆえ使用が制限されるケタミンに加え,NMDA受容体にケタミンと同様開孔性アンタゴニストとして作用するメマンチン(抗うつ作用,副作用とも示さない),ラニセミン(弱い抗うつ作用を有する)投与に対する神経活動変化を比較した結果,バースト発火を生じるニューロン群が特異的な薬理応答を示すことが明らかになった.ニューロン種,受容体のサブユニット構成を明らかにすることにより,抗うつ効果を発揮するメカニズムの理解,新規薬理活性物質の探索が期待できる.
|