研究課題
本研究の目的は、高純度硬化性ゲルを椎間板欠損部に投与することで、生体内における組織修復環境を最適化し、最終的には椎間板組織修復が促進されるという作業仮説をもとに研究を行う。 本研究の目的は、1)開発した高純度硬化性ゲルをウサギ椎間板欠損部に投与し椎間板組織修復が促進されることを証明するとともに、2)本法における組織再修復メカニズムを明らかにし、3)大型動物(ヒツジ)による手技の開発と評価および生体力学的安全性評価を行って臨床応用へと橋渡しする基盤研究とすることである。前年度までの研究では髄核前駆細胞が増殖し、II型コラーゲン陽性細胞が増殖することで、組織修復が促進されることが確認された。平成30年度は、椎間板組織再生法における組織修復メカニズムのさらなる解明を行った。その結果、椎間板局所に存在する髄核前駆細胞が増殖していることによる椎間板組織の自然修復が起こったことが明らかになった。合わせて、硬化性ゲルと骨髄間葉系幹細胞との親和性を評価する目的に、骨髄間葉系幹細胞と硬化性ゲルをウサギ欠損椎間板組織内に埋植して経時的な組織評価を行った。その結果、ゲル単独や椎間板欠損単独群よりも組織修復効果が高いことを確認した。また細胞を蛍光標識して椎間板内における細胞動態を評価すると、12週以上に渡り、細胞が生存することが確認された。以上から、硬化性ゲルと骨髄間葉系幹細胞との高い親和性が確認された。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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EBioMedicine
巻: 37 ページ: 521-534
10.1016/j.ebiom.2018.10.055.