本研究では、銀および/あるいは銅をドープしたチタンを作製し、それらの擬似体液(SBF)中でのアパタイト形成能、金属元素の溶出挙動、暗所下および可視光照射下での抗菌性、および活性酸素種(ROS)発生の評価を行った。いずれの試料もSBF中でアパタイト形成能を示し、可視光照射によって抗菌性が向上することが分かった。溶出特性試験において銀および/あるいは銅の溶出が認められたこと、また可視光照射によって試料からヒドロキシルラジカルや過酸化水素といったROSが発生していることが確認されたことから、可視光照射下での試料の抗菌性は、金属元素の溶出および可視光応答型光触媒効果によって発揮されたと考えられる。
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