研究課題/領域番号 |
16H03188
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
梅村 晋一郎 東北大学, 医工学研究科, 教授 (20402787)
|
研究分担者 |
高木 亮 東北大学, 工学研究科, 助教 (20771885)
吉澤 晋 東北大学, 工学研究科, 准教授 (30455802)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 超音波治療 / 集束強力超音波 / アレイトランスデューサ / 球殻振動 / キャビテーション / 第2高調波 |
研究実績の概要 |
集束強力超音波(HIFU)治療の効率と適用範囲を飛躍的に高める音響キャビテーションを、精度よく発生させるためには,著しく高い音圧の短い超音波パルスが有効である。これを、従来の厚み振動に基づく集束超音波トランスデューサにより生成しようとすると、必要な駆動電圧が汎用パワーMOSFETの限界である数百Vに達してしまう。 本研究では、この課題を解決することを目的に、球殻振動に基づく新規なトランスデューサ素子を提案し、開発する。必要な駆動電圧を従来の数分の1に抑制できるので、特に、これを多数ならべたアレイトランスデューサを構成するときに大きな利点を生む。また、中心角を調整することにより、第2高調波を高効率に発生できる。この性質を利用して、キャビテーション生成に有利な正負非対称な音圧を効率よく発生するよう設計することができる。 これまでに試作した素子構成は、基本波のみを印加電圧に対して高い効率にて発生するのに適した構成であった。しかし、第2高調波を高効率に発生するのには適しておらず、さらに、隣接素子間の距離を詰め、グレーティングローブの生成を抑制しながら、単位面積あたりに発生させることのできる超音波エネルギーを最大化するには不適当な構成であることが判明した。そこで、半球殻素子をアレイトランスデューサ基盤に機械的に支持するための構成を抜本的に見直し、新たな構成を考案して、その有効性について有限要素法を用いた数値計算シミュレーションを用いて検討中である。これまでに、数方式の候補が得られており、各方式についてパラメータをチューニングし、その潜在能力を調査中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでに試作した素子構成が、基本波のみを印加電圧に対して高い効率にて発生するのに適した構成であって、第2高調波を高効率に発生するのには適しておらず、さらに、隣接素子間の距離を詰め、グレーティングローブの生成を抑制しながら、単位面積あたりに発生させることのできる超音波エネルギーを最大化するには不適当な構成であることは、ある程度予想できていた。従って、本研究を進めるにあたり大きな障害とはなっていない。
|
今後の研究の推進方策 |
有限要素法にもとづく数値計算シミュレーションを基本設計に、測定と数値計算シミュレーションを高度に組み合わせた音響ホログラフィを音場評価に用いることにより、数値計算と試作を高度に融合して効率的な研究を行う。
|