研究課題/領域番号 |
16H03196
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研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
丸山 一雄 帝京大学, 薬学部, 教授 (30130040)
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研究分担者 |
茅沼 秀樹 麻布大学, 獣医学部, 講師 (10329196)
金井 詠一 麻布大学, 獣医学部, 助教 (20632219)
高瀬 有加里 帝京大学, 公私立大学の部局等, 教務職員 (80718057)
鈴木 亮 帝京大学, 薬学部, 准教授 (90384784)
小俣 大樹 帝京大学, 薬学部, 助教 (80803113)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | マイクロバブル / セラノスティクス / 超音波 / 超音波造影 |
研究実績の概要 |
(1)セラノスティクスバブル製剤の開発:前年度から検討していたDSPC:DSPE-PEG2000をベースにした組成にDSPGを添加し、パーフルオロプロパンガス(PFPガス、bp -36.7℃)存在下ホモジナイザー(15,000rpm、5分)を用いてバブルを調製し、マウスの血流造影時間で比較検討した。その結果、PFPガスを内核とし、外殻素材として“DSPC:DSPG:DSPE-PEG2000=30:60:10(モル比)”から成る、平均粒径1~2μmのバブル製剤が最も安定な造影能を示し、最終セラノスティクスバブル製剤に決定した。凍結乾燥を専門とする業者から得た凍結乾燥プロトコールにしたがって、以降の動物実験用セラノスティクスバブル凍結乾燥製剤を300バイアル製作した。 (2)セラノスティクスバブル製剤の機能評価:ルシフェラーゼ発現プラスミド DNAとセラノスティクスバブル製剤を ddY マウスの静脈内に同時投与し、直ちに肝臓または腎臓に向けて超音波(周波数:1 MHz、照射時間率:50%、照射強度:1 W/cm2、照射時間:1分、繰り返し周波数:2 Hz) を照射した。24時間後、ルシフェラーゼ活性を測定した。その結果、肝臓または腎臓に超音波を照射した群では、超音波のみを照射した群と比較し高いルシフェラーゼ活性が認められた。このことから、セラノスティクスバブル製剤と超音波を組み合わせることで、ソノポレーションが誘導されpDNAが導入されたと考えられ、in vivo 遺伝子デリバリー機能を確認した。また、100mmディッシュにドキソルビシン耐性細胞K562/Adrを培養し、ドキソルビシン送達を行った。その結果、セラノスティクスバブル製剤+超音波の組合せ群で高い細胞傷害性が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
凍結乾燥条件の再検討を行ったため、時間を要した。治療用超音波装置を犬にセットする方法について、小動物用を用意したが、施術条件の設定に時間がかかり、年度後半にずれ込み、期間内に成果を出すことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
新しい凍結乾燥セラノスティクスバブル製剤の造影能とソノポレーションによる治療を、小動物、大動物で検証する。 イヌでのセラノスティクス評価 として 麻布大学附属動物病院において、鎮静や麻酔の施術を行い、超音波造影装置(現有)で血管や主要臓器の造影の持続時間、鮮明性を評価する。癌罹患犬に対して、治療超音波装置で血管オープニングによるDOXIL送達治療や温熱療法を実施し、治療効果のほかに組織の損傷度合や傷害性を検討する。
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