研究課題
男性と女性には、歴然とした筋肉量の差が存在する。また、筋肉内脂蓄量は男性よりも女性の方が高いことが知られている。本研究では、高齢期骨格筋における量と質の性差について、骨格筋幹細胞である筋サテライト細胞の後天的な遺伝子発現制御(エピジェネティクス)に着目して検討する。初年度は加齢が筋サテライト細胞に塩基配列の変化を伴わない遺伝情報として記憶(メモリー)されていることにより、高齢期の筋分化能の性差に寄与するという仮説について細胞レベルで検討した。すなわち、初年度は、これまでに得られている骨格筋幹細胞の性差の知見について、50週齢において確認した。すなわち、先行研究では性成熟後の12週齢の雌性および雄性ラットの骨格筋より筋サテライト細胞をそれぞれ単離し、同一培養条件下で増殖能、筋分化能、そして脂肪細胞へ多分化能の性差について検討した。その結果、細胞増殖能については雌雄の筋サテライト細胞に違いは認められなかった。その一方で、脂肪細胞への多分化能や筋分化能に性差が認められていた。本年度は50週齢のF344系雌性および雄性ラットから単離した筋サテライト細胞を用いて、上記と同様に検討した結果、加齢に伴い筋分化能に性差が認められなくなっていた。
3: やや遅れている
初年度は計画通りに50週齢のラットを用いて筋サテライト細胞の機能の性差について検討できたものの、高齢期骨格筋から予定していた筋サテライト細胞数が単離できなかったため、実験条件が制限されてしまい、各機能の性差を検討するサンプルサイズが小さくなってしまった。
初年度は高齢期骨格筋から筋サテライト細胞数が十分に得られなかったため、1回の実験で用いる匹数を増やして、各機能の測定が十分にできるように工夫する。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)
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