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2016 年度 実績報告書

回復過程と”Slacking”に対応するロボットリハビリテーション

研究課題

研究課題/領域番号 16H03214
研究機関中部大学

研究代表者

大日方 五郎  中部大学, 工学部, 教授 (50111315)

研究分担者 宮脇 和人  秋田工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (00390906)
LEE Jaeryoung  中部大学, 工学部, 助教 (70736363)
島田 洋一  秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90162685)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードリハビリテーション / 支援ロボティクス / 機能的電気刺激 / リハビリテーションプロトコル / 回復状態推定
研究実績の概要

リハビリテーション用の装具とその使用者の間に生じる力を測定できるようにした動力付き機構と計測システムの設計を行った。機能的電気刺激用のデバイスで、上肢の上腕二頭筋と上腕三頭筋を動かし、上肢の屈伸運動時に生じる関節トルクの測定を行った。健常者では電気刺激により容易に運動を生じさせることができ、その運動時の関節トルクが設計したデバイスで測定可能であることを確認した。
下肢のリハビリテーション用のデバイスを設計製作し、その基本特性を健常者を被験者とする実験により、検証した。電動モータと減速機構、トルク伝達機構、装具本体の合計重量が10Kg以下であり、モータの定格仕事率は150Wである。実用時の操作性の良さや1回充電当たりの連続運転時間の長さが、目標通り達成できていることを確認した。健常者の実験では、製作した動力装具が下肢麻痺者の歩行アシストを行うことができることを確認した。実験データの解析の結果、重心動揺が少なく、モータを導入しない時よりもスムースな歩行ができている。基本的な動作確認と人を対象とした実験を行う場合の操作性と安全性の確認を行い、本格的な実験の準備が整った。
設計製作した動力デバイスの健常者を被験者とした実験結果および制御システムの構成について国際会議(ICORR 2017, London)の論文としてまとめ、投稿した(受理され2017年7月に発表予定である)。関連研究の調査を行いない、本研究の狙いが依然として重要であり、研究成果が意味を持つポイントを把握した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

上肢のリハビリテーション運動をアシストするリンク機構のパーツを研究スケジュールに合わせて発注したが、納入業者が型番を取り違えたため、納期が2か月遅れることとなった(輸入品であったことが遅れが大きいことの原因)。このため上肢用の実験装置を製作できず、上肢用のアシストデバイスを用いて、実際の麻痺患者に適用する実験を行うことができなかったため遅れている。
対策として、急遽29年度設計製作予定であった下肢用のデバイスを製作し、上肢用デバイスと並行して研究を進めることとした。下肢用デバイスでは、健常者での実験を実施して、基本特性の検証まで進めた。この分については、研究計画の前倒し実施となっている。

今後の研究の推進方策

上肢用のアシストデバイスを用いて、実際の麻痺患者に適用する実験を行うことができなかった点が遅れているので、29年度は、デバイスの制御系を完成させ、できるだけ早く麻痺患者での実験を実施したい。実際の患者での比較試験、すなわち機能的電気刺激を併用するリハビリテーションのためのトレーニングと機能的電気刺激を用いないトレーニングを行い、その二つの回復過程の違いを調査する。調査には、本研究の特徴である被験者とデバイス間の力学情報の計測に基づいて、回復過程を科学的、定量的に評価する。上肢での評価が終われば、下肢での評価のために下肢用のデバイスを整備し(一部は28年度に実施済み)て、下肢での評価試験に取りかかる。
これらと並行して、アシストデバイスを回復過程に合わせ、かつ被験者の”手抜き”を防止するためのアシストレベル調整アルゴリズムを検討する。

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公開日: 2018-01-16  

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