研究課題/領域番号 |
16H03215
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
鈴木 哲 関西大学, システム理工学部, 准教授 (50306502)
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研究分担者 |
松井 岳巳 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (50404934)
孫 光鎬 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (80756677)
安斉 俊久 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 部長 (60232089)
菅野 康夫 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 医長 (00317124)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 人間医工学 / 生活支援技術 / センシング / 診断 |
研究実績の概要 |
本研究では,マイクロ波を用いた完全な非接触での生体計測手法を応用し,血圧変動を推定する手法の確立を目指すことを目的とした. 初年度は,主にシステムの適切な利用方法の検討と有効性の検証のため,①評価システム(センシングユニットおよび解析システム)の試作と,②実験室内での学生を被験者とした評価実験,さらに③医療機関にて患者を対象とした評価実験を行うことによってシステムの課題抽出と改良を行うこととした. まず第1の目標である有効性確認のための評価システム試作については,24GHzのマイクロ波センサを利用した小型のシステムを試作に成功した.また,第2の目標として,適切な利用方法を検討するために,試作したシステムの実験室内における評価実験を行った.特に反射波の強度変化や時間応答変化について観察した.また,その際本補助により導入した連続血圧計をリファレンスとして用い,マイクロ波センサによる計測結果との比較を行った.その結果として,概ね良好な結果を得たことから一定の効果があることが明らかとなり,手法の有効性が確認出来た. 一方で,3点目の目標である臨床的知見の蓄積とシステムの問題点確認のため,医療機関における心不全患者へ適用した評価実験については,当該施設での倫理委員会の審議結果を受け,システムの安全性チェックに外部機関でEMC試験を委託するなどの対応を行ったことから時間を要し,実際の医療機関での調査については次年度以降の調査を行うこととなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定の評価システムについては,予定通りの小型のシステムを試作することに成功した.また,実験室内での被験者に対する評価実験についても予定通り実施し,結果として良好な結果を得たことから,ある程度の有効性を確認した.一方で,センサの位置決め等の課題が確認され,次年度以降の課題が残った.また,医療機関における評価実験についても,当該施設での倫理委員会の審議結果により,システムの安全性チェック等の対応が必要になったことから実施が遅れ,この医療機関での調査についても次年度以降の調査を行うこととなった.
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今後の研究の推進方策 |
課題として明確になった点について,今後は協力企業による動物実験や,他の大学および研究機関によりデバイス設計と評価により解決を模索する.また,この結果をもとに更なるシステムの改良を行うとともに,実験室内による評価実験を通してその効果を確認し,随時システムの変更を行う.
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