研究課題/領域番号 |
16H03217
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
大山 潤爾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 主任研究員 (00635295)
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研究分担者 |
若月 大輔 筑波技術大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50361887)
中島 佐和子 秋田大学, 理工学研究科, 助教 (40453542)
井野 秀一 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 人間情報研究部門, 研究グループ長 (70250511)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 応用認知心理学 / 情報支援工学 / バリアフリー / 映像認知 / アクセシブルデザイン / 時短デザイン / 情報保障 |
研究実績の概要 |
映像コンテンツのバリアフリー化には音声を視覚的に代替する字幕は不可欠である。本研究では、字幕デザインの見やすさ分かりやすさを自動で定量的に評価できるアクセシビリティ支援ツールを開発する。字幕デザインを総合的に評価するためには、字幕文字自体だけではなく、映像と同時に呈示される状況で、字幕デザインが映像と字幕の視認性と内容理解に与える影響を定量的に調べる映像認知特性の研究が必要である。映像認知特性に基づいた字幕評価手法を確立し、それを応用した字幕デザインの解析評価ツールを開発することで、適切なコストと安定した品質の字幕の供給を支援し、バリアフリー化の普及を促進する。具体的には、初年度は、(1)映像と字幕の関係性を考慮した字幕アクセシビリティ評価手法の研究と、(2)字幕と映像のデータから字幕設計評価の必要な要素技術を抽出する字幕解析技術の研究を平行して進めた。 (1)については、実生活における様々な字幕付き映像の視聴環境を再現しながら、これまでにメンバーが進めてきた実験室実験と同様に視環境をコントロールすることで、実環境の様々な環境要因や映像や字幕の設計要素が、映像と字幕の理解に及ぼす影響を検証可能なVRを応用した認知行動実験システムを構築した。このシステムに用いられた技術は特許の出願を予定している。 (2)については、プロジェクトメンバーが開発してきた映像・字幕・音声などの解析技術を、字幕と映像の解析に応用するためのアルゴリズムの検討を進めた。特に、聴覚障害者70名を対象に字幕が映像のどのような内容に重なると分かりにくいかを調査し、そうした映像内容と字幕との位置関係と字幕の評価との関係を明らかにした。この研究から、映像内容中の重要な場面と字幕の表示位置を分析することで、字幕の評価を数値化できるため、字幕評価ツールの開発に有効である。研究成果は、福祉情報工学研究会で発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に当たる本年度は、実験環境の整備とツール開発に向けた設計の検討を中心とする計画であったが、それらが予定通りの成果を得られている。さらに、すでに学会発表も行うことができた。こうした状況から、本研究計画は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
順調に進んでいる。今年度からは、実験を進めて、ツール開発の基盤知見を揃える。
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