研究課題/領域番号 |
16H03235
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研究機関 | 仙台大学 |
研究代表者 |
宮西 智久 仙台大学, 体育学部, 教授 (20285646)
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研究分担者 |
川村 卓 筑波大学, 体育系, 准教授 (30334056)
島田 一志 金沢星稜大学, 人間科学部, 教授 (00454223)
高橋 佳三 びわこ成蹊スポーツ大学, スポーツ学部, 教授 (50434642)
平山 大作 筑波大学, スポーツR&Dコア, 研究員 (60466670)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 野球 / 投手 / ピッチング / 投法 / 3次元動作分析 |
研究実績の概要 |
本研究課題の目的を達成するため、2年度目以降の課題は、開始年度から2年度前半において確立された統一的な実験手法(3次元画像解析法)を用いて、各研究機関において実験を複数回実施し、データを継続的に蓄積することであった。具体的には、投法別の複数の投手のピッチング動作を2台のハイスピードビデオカメラを用いて3次元撮影した後、画像分析システムを用いて、身体計測点の3次元化することであった。昨年度まで各研究機関において複数回の実験を終えており、大学および高校生投手計50名の画像データを3次元化し、各投法を定量的に類型化した。なお、何名かの投手について複数の投法が投球可能な被験者を対象として投法間の比較を行った。このうち、4投法を投球可能な投手1名のピッチング動作について事例的に野球科学研究会第7回大会において発表した(下記【抄録】参照)。 野球の投手のピッチング動作は、一般にオーバーハンドスロー(OT)、スリークォータースロー(TT)、サイドハンドスロー(ST)、アンダーハンドスロー(UT)の4つの投法に類型化される。本研究では、現在、オーバーハンドスロー投法を用いている投手1名を対象として、4投法で直球を全力で投げさせたときのピッチング動作を3次元画像解析し、各種力学変量を算出・比較することで、各投法の動作特性を事例的に明らかにすることを目的とした。球速はOTがTTよりも0.5 m/s、TTがSTよりも1.5 m/s、STがUTよりも3.1 m/s大きかった。投球腕肩内旋速度のピーク値は、ST、UTがボールリリース時に、TTがリリース直後、OTがTTよりもさらに遅れて生じた。リリース時の肘伸展速度はOT、TT、UT、STの順に大きく、UTはほぼゼロ、STは負であった。角運動量(全身および部位別)の時系列パターンにおいて、各投法の動作の特徴に見合ったパターンが認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年に入り、COVID-19による感染拡大の影響により、各研究機関について実験の中止ならびに諸事校務が急増し、研究活動が停滞ないしは中断している。昨年度から引き続き、一部の投法のデータを収集するため実験を実施する必要があるが、通常の研究活動を再開できず、今後の実験やデータ分析作業について見通しが立たない状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は研究期間の最終年度に当たる。各研究機関において一部の投法のデータを収集するために、COVID-19の感染拡大・予防に最大限配慮しつつ、被験者や測定者の安全・安心が確保され実験参加への協力が得られれば、実験を実施したい。また、昨年度までに3次元化されていない未実施の一部の試技データについて分析作業を終えるとともに、早急に研究をまとめる方向で取り組みたい。なお、不測の事態(COVID-19大流行)により、研究活動の停滞ないしは中断状況が長引けば、研究計画の変更も視野に入れて置く必要がある。
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