成長期男女サッカー選手の形態と運動能力の2年間の変化を、身長発育急増年齢(PHVA)で評価した成長段階間で比較した。尚、測定前に -2.0 < PHA < -1.0歳の選手をPre群、 -1.0 < PHA < 0歳の選手をPre2群、 0 < PHA < 1.0歳の選手をPost群、 1.0 < PHA < 2.0歳の選手をPost2群、PHVA>2.0歳の選手をPost3群の5群に分類した。尚、男子ではPost3群が、女子ではPre2群およびPre群が対象者に含まれていなかった。 男子はU10からU-15の選手延べ211名、女子はU13からU17の選手延べ57名を対象とし、そのうち3年間測定可能であった男子197名、除し24名を解析対象とした。測定項目は身長、体重、体脂肪率、除脂肪体重、5段跳び、10mx5走に加え、男子は50m走、女子は10m・40m走、SJ、CMJ、CMJA(腕振り)を測定した。 その結果、男子の身長は、Pre2群が他の3群よりも変化量が大きく、Post2群よりもPre2およびPost群も有意に変化量が大きかった。体重は、Post2群が他の3群よりも有意に低い変化量を示した。50mスプリントは、Pre2群の変化量がPost2群よりも大きく、5段跳びはPost2群がPost群とPre2群よりも向上していた(P <0.05)。その他の測定項目について群間で有意差は認められなかった。女子は身長および除脂肪体重変化量はPost群とPost2群がPost3群よりも大きく、体重変化量はPost群が最も大きかった。CMJ(腕振り)はPost群がPost2群よりも大きかった。一方、その他の項目には群間差が認められなかった。 これらから跳躍能力はPHVA以降に発達し、その時期は男女で異なること、そして筋量以外の要因が跳躍能力向上に影響している可能性が示唆された。
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