研究課題
基盤研究(B)
骨格筋の筋肉量や筋力を維持するための筋細胞適応のメカニズムについては十分な理解が得られていない.本研究は,細胞内に存在するカルシウムイオンが筋肉量や筋機能をコントロールする可能性を調べた.その結果,運動時には細胞内のカルシウムイオンが増加し,しばらく持続的に変動することが明らかになった.この変化は,運動の方法や性差によって異なっていた.このような特徴的なカルシウムイオン変動パターンは,運動による骨格筋量の変化を制御している可能性がある.
運動生理学
加齢や寝たきりなどの不活動状態,あるいは代謝的疾患(糖尿病など)に関連した筋肉量の減少は,Quality of Life(QOL)や健康寿命などに直結するリスクファクターである.本研究によって解明された運動時のカルシウムイオン変動パターンは,筋肉量を維持するための運動トレーニングやリハビリテーションのプログラム開発への応用が期待される.