研究課題/領域番号 |
16H03245
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐藤 誠 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (50242409)
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研究分担者 |
松崎 一葉 筑波大学, 医学医療系, 教授 (10229453)
笹原 信一朗 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10375496)
大井 雄一 筑波大学, 医学医療系, 助教 (90516056)
道喜 将太郎 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60808781)
堀 大介 筑波大学, 医学医療系, 助教 (10823693)
森田 恵美 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (60551968)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 睡眠計測 / 勤労者 / 疫学調査 / メンタルヘルス / 睡眠効率 |
研究実績の概要 |
本研究の目的の一つには、これまで国内で数例しか行われていない活動量計を用いた睡眠の大規模調査を、勤労世代にて行い、どのような睡眠様態がメンタルヘルスのリスクファクターとなっているのかを明らかにすることである。これまでの研究では、自己申告による睡眠時間と計測した睡眠時間の相関は高くはないことが報告されているものの、多くの疫学研究は、睡眠時間の評価は調査票による自己申告であった。よって、主観により睡眠時間が評価されている点が研究の限界となっていた。そのため、どのような睡眠様態がメンタルヘルスと関連があるのかを明らかにするためには、客観的な睡眠計測が必要である。本研究では、睡眠計測データを1,000人以上収集することを目指した。 3年目の本年度は、昨年までに睡眠疫学調査にて収集したデータの整理、調査票の入力、データクリーニングなどを行い、データ解析に供せるデータセットを作成した。昨年度までに、職域で約770名、更に、金沢大学、及び、慶応義塾大学との連携により、石川県志賀町の地域住民約380名、計1,100名以上からデータ収集を取得している。本研究の目標としていた研究対象者数を確保することが出来た。調査項目は、睡眠計測のゴールドスタンダードである脳波との妥当性が検証された小型の活動量計を用いた一週間の睡眠計測と睡眠日誌の記入、睡眠状態・ストレス状態・生活習慣等に関する調査票の記入の依頼、及び、健康診断データの提供であった。 本年度は、上記のデータ整理等に加え、データの一部にてデータ解析も実施した。これまでわが国の睡眠疫学研究では、客観的な睡眠評価は行われていることが極めて少なく、客観的な計測が必要な睡眠効率は疫学研究では十分に検証されていない。本研究では睡眠効率が推定できたため、睡眠効率と関連のある要因等について関連学会にて成果の発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、職域、及び地域住民を対象に疫学調査のデータ整理等を行い、データ解析に供せるデータセットの作成を行った。疫学調査のデータ収集の一連の作業は概ね終えることが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の次の目的は、家族性の短時間睡眠者を同定し、原因となっている遺伝子の特定を目指すことである。睡眠/覚醒のメカニズムはほとんど未解明なため、その解明に向けた第一段階を行う。睡眠疫学調査により、短時間睡眠でも充足している家族性のショートスリーパー(短時間睡眠者)やロングスリーパー(長時間睡眠者)を同定し、睡眠の特性を明らかにする。更に、エクソーム解析等により短時間睡眠者と通常睡眠者を比較し、原因となっている遺伝子を特定することを目指す。
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