研究課題/領域番号 |
16H03260
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
曽根 博仁 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30312846)
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研究分担者 |
加藤 公則 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (00303165)
堀川 千嘉 新潟県立大学, 人間生活学部, 助教 (00734857)
赤澤 宏平 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (10175771)
藤原 和哉 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (10779341)
谷内 洋子 千葉県立保健医療大学, 健康科学部, 准教授 (30642821)
児玉 暁 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任准教授 (50638781)
齋藤 和美 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (90467051)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 医療・保健ビッグデータ / 生活習慣病 / 健康寿命 / 診療報酬請求書 / 検診 |
研究実績の概要 |
わが国は世界最長寿国の一つであるが、寿命と健康寿命との差はまだ約10年もあり、まだ真の「健康長寿」国とは言えない。わが国の医療・保健・行政の現場には、極めて大量の健康関連データが蓄積されているが、従来の生活習慣病関連データ研究は所轄ごとに細分化され、研究者側も分野別取り組みが多いため、それらの医療/保健ビッグデータを十分に活用しきていない。さらに横断研究が多く、リスク因子や発症メカニズム解明につながる長期縦断研究も少なかった。そこで本研究では、医療・保健ビッグデータを活用することにより、実地診療や保健活動に役立つ科学的エビデンスを確立し、そのことを通じて包括的な健康寿命の延伸に寄与するために、地域に蓄積された検診、診療報酬請求書など様々なビッグデータを縦断的に個別突合して解析を進めている。 すでに多くの診療、保健の現場に役立つ科学的エビデンスが樹立できている。研究成果は非常に多く、本年度のみで合計19本のげ英文原著論文に達する。内容的には、糖尿病とその合併症、肥満、高血圧や動脈硬化疾患発症のリスク解析(遺伝的背景と生活習慣との影響の違いなども含む)など多岐多数にわたるが、いくつかの例を挙げると、糖尿病感受性遺伝子の保有数と糖尿病発症リスクとの関連、肉類摂取量と糖尿病合併症リスクとの関連、糖尿病患者におけるうつ傾向と死亡率との関連、小児の筋力とメタボリックシンドロームとの関連、などいずれも、内外の臨床現場において、従来から問題になっていたリサーチクエスチョンに対する回答となっている。 さらに本研究の成果は、下記のように学会シンポジウム、医師・医療従事者・一般市民などを対象にした講演会、新聞、テレビなどのメディアを通じて幅広く紹介され、日常診療、保健施策立案、診療ガイドライン作成などに幅広く役立てられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
検診、診療報酬請求書など様々なビッグデータを縦断的に個別突合して解析を進めた結果、糖尿病とその合併症、肥満、高血圧や動脈硬化疾患発症の発症リスクや病態を中心に、幅広い成果が得られ、診療ガイドライン作成などに幅広く役立てることができた。
すでに多くの診療、保健の現場に役立つ科学的エビデンスが樹立できている。研究成果は非常に多く、本年度のみで合計19本のげ英文原著論文に達する。内容的には、糖尿病とその合併症、肥満、高血圧や動脈硬化疾患発症のリスク解析(遺伝的背景と生活習慣との影響の違いなども含む)など多岐多数にわたるが、いくつかの例を挙げると、糖尿病感受性遺伝子の保有数と糖尿病発症リスクとの関連、肉類摂取量と糖尿病合併症リスクとの関連、糖尿病患者におけるうつ傾向と死亡率との関連、小児の筋力とメタボリックシンドロームとの関連、などいずれも、内外の臨床現場において、従来から問題になっていたリサーチクエスチョンに対する回答となっている。 さらに本研究の成果は、下記のように学会シンポジウム、医師・医療従事者・一般市民などを対象にした講演会、新聞、テレビなどのメディアを通じて幅広く紹介され、日常診療、保健施策立案、診療ガイドライン作成などに幅広く役立てられている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は最終年度にあたるため、研究をさらに深化させる形で、小テーマ設定、データ解析を進め、研究全体の総括をしていく。具体的には、わが国では最大級の骨粗鬆症データベースにおいて高齢者の骨折の背景要因を探索する他、多数の中学生のデータにおいて、詳細な食事内容や生活習慣と肥満などの生活習慣病傾向との関連、多数の糖尿病患者における食品群摂取と肥満との関連などに関する新しいエビデンスを確立する。成果は積極的にもメディアに発表し、あるいは関連学会の診療ガイドラインにも活用していくようにする予定である。また今後につながる新しいコホート2件の立ち上げも計画している。
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