研究実績の概要 |
サルコペニア・筋萎縮に至る過程で、一方向性の骨格筋線維タイプ変化(サルコペニア:速筋→遅筋)がおきる. 筋線維タイプ変化(代謝変換)とサルコペニア・筋萎縮の機構の因果関係を明らかにして、サルコペニア・筋萎縮の予防・治療法の開発に結びつけることを目標として研究を進めている. 各筋線維タイプは固有のエネルギー代謝特性を有しており, 本研究ではマウスの異なる代謝特性を有する4種類の筋線維タイプ全てが、異なる蛍光タンパクで生きたまま識別できるMusColorマウスを開発した. このマウス由来の温度感受性の不死化筋幹細胞を用いて骨格筋線維の代謝変換(筋線維タイプ変換)を誘導する物質(生体内因子や薬物など)の同定に関する新技術(MusColor技術)の特許出願を果たし、日米の特許が前年度までに成立しており、欧州特許は2018年5月に成立した. このMusColor技術を使い、これまで、100 種類以上の市販の生体内因子・マイオカイン・薬物などを用いてMyHC-I,IIa, IIx或はIIbを発現する筋線維を顕著に誘導あるいは抑制する物質のスクリーニングを実行した. その結果、候補分子を複数同定した.筋線維タイプ変化(代謝変換)を誘導する生体内因子に加えて薬物も発見している. さらに候補を絞り込み、これまで、in vitro, in vitroの実験系で筋線維タイプ変化・代謝変換の機構および筋量・筋機能との関連性について解析を行った.
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