研究課題
本研究テーマは研究代表者らが提唱し、12年前にNat Med誌に発表した分子状水素の医療応用(水素分子医学)という革新的な研究の一環である。当初、分子状水素は弱い還元作用を有する最小分子として、単純に抗酸化作用が着目された。その後、疾患モデル動物を中心にした解析から、分子状水素には顕著な抗炎症作用があることが分かってきた。超高齢化社会において、炎症の適切な制御は健全な加齢・老化にとって中心的課題である。そこで本研究の目的は、分子状水素の作用として、ミトコンドリア制御を含む抗酸化ストレスとマクロファージの浸潤などを抑制する抗炎症の両経路上流に分子状水素の標的分子となる特定分子が存在することを明らかにし、この分子機構によって炎症を主とする多くの疾患で分子状水素が予防・治療効果を示すことを疾患モデル動物で示し、ヒトでの臨床研究につなげることにある。今年度は、昨年度に引き続き、下記に示すような成果を得た。分子状水素の予防・治療効果については、1)動脈硬化モデル動物に水素水を飲用させることでアテロームの形成とマクロファージの浸潤が緩和され、血管内皮の老化が抑制されること、2)抗肺がん剤副作用モデル動物で、水素水の飲用が肺の炎症と酸化ストレス障害を抑制し、副作用による衰弱を緩和することを報告した。引き続き、細胞モデルで分子状水素の標的分子同定を進めている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Lab Invest
巻: In press ページ: In press
10.1038/s41374-019-0187-z
Sci Rep
巻: 8 ページ: 16822
10.1038/s41598-018-35239-0
巻: 8 ページ: 15585
10.1038/s41598-018-34006-5
https://www.tmghig.jp/research/team/roukaseigyo/seitaichousetsukinou/