研究課題/領域番号 |
16H03272
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
新小田 春美 三重大学, 医学系研究科, 教授 (70187558)
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研究分担者 |
盆野 元紀 独立行政法人国立病院機構三重中央医療センター(臨床研究部), その他部局等, 研究員(移行) (30416200)
児玉 豊彦 三重大学, 医学系研究科, 講師 (10549166)
若林 哲史 三重大学, 工学研究科, 教授 (30240443)
大林 陽子 三重大学, 医学系研究科, 准教授 (70551224)
國分 真佐代 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (80289876)
穴井 謙 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10325467)
松本 あさみ 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助手 (50805546)
新小田 幸一 広島大学, 医歯薬保健学研究科(保), 教授 (70335644)
白水 雅子 九州大学, 大学病院, 学術研究員 (30735212)
平山 雅浩 三重大学, 医学系研究科, 教授 (90293795)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | NICU治療環境 / 環境認識調査 / 明暗環境 / 早産児 / STATE判定 / NBAS |
研究実績の概要 |
新生児特定集中治療室(以下NICU)早産児に対して、生体リズムの視点より子どもに優しい成育環境の検討(照度、音など同調因子)により、Developmental care (DC)を考察する。
1)NICU成育環境としての環境意識調査と環境観測(Step1)を実施するため、研究母体の大学倫理委員会承認後、協力依頼予定の三重県のNICUを有する周産期医療センター5施設における説明会と、各施設の倫理委員会の承認を得て、5施設のNICUで働く医師(23/40名)と看護職(153/190名)に環境認識調査を実施した。児にとってストレスであると認識していた項目は、看護者、医師とも、「採血、処置など」が一番で、「音環境」が2番であった。スタッフの声(r=0.31、p<0.001)、入院・急変時(r=0.31、P<0.01)保育器交換(r=0.29、P<0.01)などは、NICU勤務経験が長いほど児のストレスと感じていた。NICUにおける環境のストレスが児に及ぼす影響について、医療職の認識はNICU経験年数により異なっていた。 2)意識調査終了後、環境観測にも同意を得られた4施設において、24時間の照度と音圧2測定を実施し、3時間ごと、6時間毎、施設毎、休日・平日での比較を実施した。4施設の環境観測の結果は、音圧は休日より平日の方が高い傾向にあり、入・退院や面会等、人の動きによる影響が示唆された。9-12時に高い傾向は、ルーチンの検査や処置との関連が考えられた。照度はどの施設も明暗の周期がみられたが、施設間の差があり、クベース覆布の使用等の工夫がみられた。 3)早産児の睡眠・覚醒リズムとストレス反応評価から見たNICU/GCUにおける適正環境基準の明確化のため、児の入眠行動観測(Step2 NVAS)の研究協力施設での説明会と準備を行い、プレ観測の段取りを進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査協力施設の倫理委員会の許可をとるまでに時間を要した。研究の意義、方法など修正を要した。さらに、アンケート調査および環境観測実施まで、施設長への説明会、その後の倫理委員会に2-3か月を要した。 Step2は、児にとってのぞましい環境基準をしるために、児のストレス反応を観測するのが主たる研究であったが、在胎32週齢~35週齢の早産児で、観測の対象基準を満たす症例が少なく、クベース内の環境調整前後の観測は症例確保が困難であった。さらにハイリスク児の治療環境の中での臨床現場でのスタッフへの理解をうる努力のため病棟での説明会など、観測開始までに時間を要した。しかし、県の周産期センタ―を有する6施設の環境認識調査と、環境観測が実行できたので,Step2の児にとってのストレス反応や入眠行動を検討するうえで、有益な過程を踏めていると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
STEP1は、5施設の環境認識調査を踏まえ、実際の環境観測での施設別特徴や、クベース内外の音圧の違い、音源の違いなど時にとっての特に音刺激に対する分析を今後さらに深める。班会議にて、内容を検討する。 STEP2では、実際の児の観測を、まずプレ観測を行った後、症例確保に努める。症例確保のために、施設数を2施設に増やすことを検討する。そのための調査施設への研究計画書、調査協力依頼書、倫理委員会申請書などを作成し、班会議で検討する。 STEP3として、児の睡眠行動観測ビデオの画像分析のプログラム化を進める。上記STEP1~3までを、同時進行で進め、年に2回全体会議として、メンバー間の情報交換を進めながら内容の検討を重ねながら進める。
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