研究課題
1)東大阪市保健センターとの定例ミーティングを行い、周知の方法や、個人情報の取り扱い、連絡方法等についてコンセンサスを得た。2)学内トライアルの結果を経て、入力ミスへの対応、一時保存機能などのマイナーな習性を行った。指導項目の選択が行いやすいように、生活時間の平均値やSDの表示も可能となった。さらに、養育者のインセンティブを高めるために、応援コメントの発信機能、睡眠時間の変化をグラフ化する、ポイントが貯まればアイコンが進化する、適切なヒント集などのアプリの改善を行った。3)平成29年10月より東大阪市の3つの保健センターでの1歳半乳幼児健診後に、夜間睡眠時間が9時間未満、就寝時刻が22時以降、頻回の中途覚醒のいずれかを満たす子供とその養育者をチラシを用いてリクルートした。双方向性睡眠啓発アプリを用いた群30名、コントロール群60名の目標を達成することができた。4)リクルートされた被験者は順次登録とアプリのダウンロードを手動で行い、毎月の睡眠習慣の報告→指導のサイクルを開始、半年が経過した現在、現在明らかなドロップアウトはなく、明らかな睡眠習慣の改善が認められる子どももあり、順調に進捗している。被験者の養育者は、2つの教育コンテンツを視聴し、1週間連続で、睡眠に関する生活習慣についてアプリから入力し、研究者は大学内PCからデータを確認して、介入すべき生活習慣を5つ程度養育者に提示し、養育者はその中から一つを選んで励行し、1ヶ月後の生活習慣を再び1週間入力するというプロトコールである。研究進捗の間、月に1回の指導項目選択のミーティング、また2週間に1回のアプリの改良についてのミーティングを行っている。5)より多くの養育者に同時に発信できるように、現在専門家グループがマニュアルで選択している指導項目を半自動的に選択できるように機械学習の導入準備を開始した。
1: 当初の計画以上に進展している
・当初は20名のリクルートを予定していたが、ドロップアウトを考慮に入れて、30名のリクルートに増やした。・当初は計画していなかったが、マニュアルでの指導項目の選択が一人の子どもあたり、20分以上かかることから、このプロセスの自動化を導入した。・プレスリリースを行なったことにより、NHKをはじめ主要なメディアにより報道され、研究の認知度が高まった。・アプリの特許出願、アプリの商標出願を行った。
・研究参加後半年をへた養育者とは面談してインターフェースや指導項目についての意見を聴取することにしている。その意見をアプリのシステムや指導項目に反映させる。・指導項目の選定の際に、確実に家庭の背景(育児協力者がいるか、共働きか否か、育児ストレスが大きいかなど)を反映させる必要がある。来年度はそれらの背景を体系的に反映させるように工夫する。・トライアルの結果を解析し、有効と判定されれば、より多数の人数を同時に指導できるようにサーバーやシステム、またメンテナンス方法の一新の準備に入る。コアな課題としては機械学習による指導の自動化である。そのためには指導回数を増やすことが必要となる。・多数の子どもの指導が可能となって真の社会実装につながる。そのためには大規模な資金が必要となるため、ベンチャー企業や、NPO法人の立ち上げなどの方略が必要となってくる。
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