テルペン環化酵素は、直鎖化合物から複雑な環構造をもつ低分子化合物を一挙に構築する鍵酵素である。一つの活性部位で全ての反応が進行するため、その反応制御機構などには不明な点が多い。本研究課題では、申請者らが世界で初めてみつけたセスタテルペン環化酵素(炭素数25)の機能解析、分子系統樹解析を行うことで、環化酵素のアミノ酸配列と初発の環化機構との間には明確な関連性があることを実証し、セスキテルペン環化酵素(炭素数15)を例としてその一般性を検証した。さらに、分子系統樹解析で同じクレードに分類された環化酵素は、類似の経路を経て環化体を生成していることも明らかにした。
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