研究課題
平成30年度では、前年度に開発した金触媒による環状ペプチド合成をさらに精査するとともに、疾患への糖鎖導入による生体内合成化学治療を検討した。(1)環状ペプチドを生体内で合成して治療する「生体内合成化学治療」昨年度に従って、より環化に適したプロリンを導入したペプチドライブラリー、さらに既存の例からがん細胞障害性を与える可能性のあるペプチドライブラリーを合成した。これらのペプチドに対して、Au(III)触媒による反応を検討したところ、いくつかの環状ペプチドを得ることはできたものの、30~40%の収率を超えることはできなかった。しかし、この中からがん細胞障害性を与える環状ペプチドも見出すことができた。そこで、ヌードマウスに担持したがんについても適応したところ、僅かながらにがん増殖阻害活性を認めることができた。一方、本研究の最中に、これらのペプチドライブラリーの一部の分子は、環状化させるのではなく、直鎖ペプチドのままがんに複合化させることでがんの増殖を顕著に抑制できることを見出した。このセレンディピティーから見出した大変興味深い知見は今後、別課題において展開する予定である。(3)糖鎖を疾患細胞に導入して治療する「生体内合成化学治療」さらに本年度では、疾患細胞表面への「糖鎖補充」を化学的に行い治療するために、生体内で実施可能な金属触媒による糖鎖付加反応を検討した。まずは、Au(III)触媒によるプロパルギルエステルのアミド化反応を検討したところ、がん細胞の表面のアミノ基選択的にがん抗原糖鎖を導入することに成功し、がん増殖を抑制できた。一方本研究課題では、直接、生体分子の求核性アミノ酸側鎖に対して、酸触媒によるグリコシル化反応によって糖鎖を導入することにも挑戦した。水中でのグリコシル化反応は困難が予想されたが、報告者が開発した金属触媒の反応場を活用することで可能となった。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2019 2018 その他
すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (21件) (うち国際共著 8件、 査読あり 21件、 オープンアクセス 21件) 学会発表 (47件) (うち国際学会 3件、 招待講演 19件) 図書 (4件) 備考 (4件)
J. Carbohydr. Chem.
巻: in press ページ: -
有機合成化学協会誌
巻: 77 ページ: 163-172
https://doi.org/10.5059/yukigoseikyokaishi.77.163
MEDCHEM NEWS
巻: Vol. 29, No.1 ページ: 22-28
http://medchem.pharm.or.jp/medchem_news/medchem-news-vol-29-no-1/
New Microbiol.
巻: 42(1) ページ: -
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30671584
Chem. Sci.
巻: 10 ページ: 1936-1944
doi: 10.1039/C8SC04747B
Adv. Sci.
巻: Vol.6, Issue 2 ページ: 1801479
https://doi.org/10.1002/advs.201801479
Biosci. Biotechnol. Biochem.
巻: - ページ: 1-16
doi: 10.1080/09168451.2018.1559030
Org. Biomol. Chem.
巻: 16 ページ: 9143-9146
doi: 10.1039/C8OB02450B
Heterocycles
巻: 99 ページ: -
doi: 10.3987/REV-18-SR(F)3
巻: 76巻、10号 ページ: 1110-1112
https://doi.org/10.5059/yukigoseikyokaishi.76.1110
ChemBioChem.
巻: 19 ページ: 2055-2060
doi: 10.1002/cbic.201800335
Asian J. Org. Chem.
巻: 7 ページ: 1797-1801
https://doi.org/10.1002/ajoc.201800364
Cell Struct. Funct.
巻: 43 ページ: 141-152
https://doi.org/10.1247/csf.18009
Chem. Commun.
巻: 54 ページ: 8693-8696
http://dx.doi.org/10.1039/C8CC01544A
Chem. Eur. J.
巻: 24 ページ: 10595-10600
https://doi.org/10.1002/chem.201802058
巻: 97 ページ: -
10.3987/REV-18-SR(T)4
Chem. Asian. J.
巻: 13 ページ: 1544-1551
https://doi.org/10.1002/asia.201800367
Synthesis
巻: 50 ページ: 1097-1104
DOI: 10.1055/s-0036-1590956
Eur. J. Clin. Invest.
巻: 48 ページ: 219-220
巻: 48 ページ: 219
RIKEN Accel. Prog. Rep.
巻: 51 ページ: 24
http://www.riken.jp/pr/press/2019/20190118_3/
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180223_2/
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180704_1/
http://www.riken.jp/pr/press/2018/20180628_1/