研究課題
細胞内の主要な不要物分解システムであるオートファジーは、種々の疾患の抑制にも貢献することから創薬の標的として大きな注目を集めている。マクロオートファジーは、細胞膜に存在する物質や細胞小器官を隔離膜で取り囲んで分解する。分解できる対象が可溶性タンパク質に限られるユビキチンープロテアソーム系と異なり、サイズの大きな対象(タンパク質凝集体や細菌、細胞内器官)を分解できる特徴をもっている。細菌など有害物のオートファジー分解は「選択的」に起こる。もし、選択性の発現機構を充分に理解できれば、疾患の原因理解や創薬にも応用が可能である。研究代表者は、細胞内に侵入したある種の細菌の周囲に特異な翻訳後修飾をうけたタンパク質が蓄積し、これが分解と密接に関連することを見出した。そこで、この翻訳後修飾が細菌以外の対象についても一般性をもった分解誘導タグとして機能すると仮定し研究を進めた。細菌の周囲に見られた修飾はグアニンの誘導体であったので、種々のグアニン誘導体を合成してタンパク質に導入して、タンパク質寿命に与える影響を調べたところ、予期した通り、タンパク質寿命を短縮する誘導体が発見された。タンパク質寿命は、オートファジーだけでなく、その他のメカニズムでも短縮するため、オートファジーに関わる各種の変異細胞株も駆使して作用機序の解析を進めた。また、分解を受けるタンパク質の実施例を増やして、観察された効果の一般性を検証した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Autophagy
巻: 16 ページ: 765-766
10.1080/15548627.2020.1718362
Molecular Cell
巻: 76 ページ: 797-810.e10
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