研究課題/領域番号 |
16H03311
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西前 出 京都大学, 地球環境学堂, 准教授 (80346098)
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研究分担者 |
淺野 悟史 滋賀県琵琶湖環境科学研究センター, 総合解析部門, 研究員 (10747869)
堤田 成政 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (20650352)
山下 良平 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (40515871)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 生業構造 / 地理情報システム / プランテーション / 農業生産システム |
研究実績の概要 |
現地調査としてインド,フィリピン,インドネシア,マレーシアの対象地を訪れ,必要なデータの収集を行った。インド,ムンバイでは,都市農村連環の不備に起因する発展の地域的偏りについて調査し,現地専門家の助言を得た上で,住民に対して広く聞き取り調査を行った。現在,原著論文を投稿中である。フィリピン,シランサンタローサ川流域では,上流域のパイナップル農園にて農家に聞き取りを実施し,栽培歴の確認,肥料投入量の推定,下流域への影響などを検討した。成果は国際学会にて発表した。インドネシア,バンドゥンの農村地域で行われているバイオプラントについて調査し,女性グループの活躍により多くの機能が維持されていること,しかしながら,コミュニケーション不足により一部,効率の悪い点も散見されることを明らかにした。現在,成果を取りまとめ,投稿論文として準備している。 インドネシアの対象地と社会的背景が類似したマレーシア農村部を調査地として,地域ブランド化された農産物産地の形成プロセスにおいて,地域農業組織あるいは地域コミュニティ組織のレジリエンス強化と産地競争力の相関に関する諸仮説を検証するための調査準備を進めた。次年度は,実際にインタビュー調査及びアンケート調査を実施する予定である。 また,国内では琵琶湖流域において,防災と生物多様性保全を両立する概念として近年注目されているEco-DRRについて検討を行い,獣害による土砂流出を抑制する仕組みづくりに向けた研究成果を発表した。また,水田地域における洪水防止と生物多様性保全の両立を図るため湛水機能調整による生物相の評価に着手し,研究成果を発表した。 本事業の最終目的である「新たな農業生産システム」という概念を構築するために,上述のような多面的な調査活動を実施し,原著論文としての投稿,国際会議での発表を行い,成果を挙げつつある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現地調査は現地の関係者と協働しながら実施できており,また良好な関係を維持している。引き続き調査活動は行う予定である。研究成果は,国際会議論文として発表し,また,原著論文を投稿するなど,順調に成果を挙げつつある。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたるため,前半期までに現地調査を終えることとし,後半期は,国際会議での発表,原著論文のとりまとめなど成果を挙げることに力を入れることとする。
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