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2016 年度 実績報告書

インドネシアにおける日系工業団地進出と地域社会変容に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 16H03319
研究機関東海大学

研究代表者

内藤 耕  東海大学, 文学部, 教授 (30269633)

研究分担者 倉沢 愛子  慶應義塾大学, 経済学部(三田), 名誉教授 (00203274)
小池 誠  桃山学院大学, 国際教養学部, 教授 (00221953)
大井 慈郎  東北大学, 文学研究科, 助教 (10757959)
伊藤 眞  首都大学東京, 人文科学研究科, 客員教授 (60183175)
新美 達也  佐賀大学, 国際交流推進センター, 准教授 (80773192)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードインドネシア / 日系企業 / 工業団地 / 地域社会変容 / 雇用 / 消費 / 農村社会
研究実績の概要

日系企業などの近代産業を受け入れてきたインドネシアの農村社会の変容について調査研究を進めている。調査地としたのは、西ジャワ州カラワン県のS村であった。主に28年8月にメンバー全員による調査を実施した。
調査地にはここ数年、工業団地の従業員目当ての大規模なショッピングモールや、工業団地への出張者を当て込んだ高級ホテルが次々と進出しており、「農村」の様相が急激に消えつつある。旧来の住民と新しい住民との生活空間は分断されているが、出稼ぎ労働者の居住するアパートは旧住民の居住域にあって、非常に複雑な空間構成をなしていることが観察された。急速に都市化、消費社会化が進んでいると言える。
具体的な調査内容としては、第一に、村役場ほか関係機関への調査を実施した。対象村の位置づけを明確にすべく、周辺の村も含めて村役場への聞き取りと各種統計資料の収集をおこなった。そのほか地場の産業の現状についても把握に努めた。対象村はもはや農村とは言いがたいほど離農が進んでいる状況が見られた。第二に、世帯をベースとした農村住民調査を実施した。全部で151件の聞き取りを行った。質問票をベースとして若年者雇用の実態や雇用に関する住民の意識などに焦点をあてた。工業団地に勤務する住民は少なく、出稼ぎの工業団地労働者との違いが明確になった。地域における女性の役割についても観察と聞き取りを行った。また、第三に、日系企業の調査を実施した。工業団地事務所への聞き取りのほか企業への訪問も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

工業団地従業員に対する調査が十分とは言えない。計画立案時よりも研究予算が大きくカットされているにも関わらず、初年度において調査項目を欲張りすぎたこともあるが、インドネシア政府の調査許可に関する手続きが厳格になり相当な時間を要するようになったことも大きい。

今後の研究の推進方策

引き続きインドネシア共和国西ジャワ州カラワン県農村を対象とした調査を行う。工業団地の進出によって生じたさまざまな問題を多角的に追っていく。基本的な手法は住民への聞き取り調査である。質問紙を用いた調査が中心となるが、面談方式を採用することで、質的な分析のための情報収集を担保していきたい。具体的には、初年度に行った151世帯への聞き取りをベースとして、とくに雇用、所得や消費行動に関する調査を行っていく。
また、調査対象者を工業団地への出稼ぎ労働者へと広げていくほか、他所から流入してきた中間層と考えられる分譲住宅居住者にもアプローチしていく。出自や学歴等を明らかにすることで、この地域の混住状況が活写できると考える。
雇用面では、派遣業者などにアプローチすることで非正規雇用のシステムがどのように機能しているかを明らかにしていく。
消費については、近年進出が著しいホテルやショッピングモール等の施設の調査を行っていく。地域住民による利用状況(頻度と利用スタイル)も明らかにしていく。伝統的市場などとの棲み分けがどのように行われているか関心を払っていきたい。
調査許可については制度の厳密化にあらがうわけにはいかないが、村役とのラポール作りに注力し、調査をスムーズに進めていきたい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] 東南アジアにおける工業団地進出と在地社会の関係に関する試論2017

    • 著者名/発表者名
      内藤 耕
    • 雑誌名

      東海大学紀要文学部

      巻: 106 ページ: 129-139

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2018-01-16  

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