研究課題/領域番号 |
16H03325
|
研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
金 富子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40558102)
|
研究分担者 |
中野 敏男 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (10198161)
倉田 明子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20636211)
橋本 雄一 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (30305403)
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)
澤田 ゆかり 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50313268)
野本 京子 (沼田京子) 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (90208281)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 満洲 / ジェンダー / 移民 / 移動 / 記憶 / 痕跡 / 植民地主義 / セクシュアリティ |
研究実績の概要 |
まず、2年目の研究実績として、最大の成果といえるのは、初年度の成果をふまえて、2017年8月に本格的に中国東北へのフィールドワーク調査(長春、延辺、ハルピン、8泊9日)を実施したことだった。とくに延辺では、現地の研究者2名の全面的な協力によって、3日間にわたって日本人入植地と朝鮮人入植地をフィールドワーク調査することによって、両者の違いを現地で直接に経験しただけでなく、現地で当時を知る複数の経験者にインタビューすることができた。また、現地研究者との研究交流と写真論文集出版に向けた協力体制を深めることができた。 なお、フィールドワーク調査の事前準備として、同年7月に中国東北への朝鮮人移民に関する専門研究者を招いて開いた公開研究会をもって認識を深め、さらに同年8月にはハルピンと万宝山事件の歴史と現在に関する研究分担者による内部研究会を開き、問題意識を共有した。また、フィールドワーク調査後の同年10月には、成果を共有するための記録集の作成と公開フォーラムを開催した。 次に、2018年1月には、第3課題「『満洲』の社会と文化」を主題に関連して、中国から「満洲」文学の専門研究者を招き国際カンファレンスを開催するとともに、非公式の集まりを含めて、「満洲」に関する文学・文化の視点、現在のデジタル資料の利用方法などの研究交流を行った。さらに、この主題に関連して、同年3月に「満洲」のキリスト教史の専門研究者を招いて公開研究会を行い、「満洲」の宗教と欧米人という側面からテーマを深めた。 以上のように、所定の計画通りに目標を達成することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ研究計画通りに進行している。
|
今後の研究の推進方策 |
3年目の全体活動は、2年間の成果を踏まえて、中国現地の朝鮮人「満洲」移民の専門的研究者(日本滞在中)とともに日本人移民の送り出し県である長野県、さらに朝鮮人の送り出し先である韓国におけるフィールドワークを実施し、その成果を共有することを目標にする。そのために、 1)長野県フィールドワーク調査の実施:中国現地の朝鮮人「満洲」移民の専門的研究者とともに、日本人移民最大の送り出し県である長野県にフィールドワークを行い、満蒙開拓記念館と歴史研究所を訪問、体験者にインタビューを行う。 2)韓国フィールドワーク調査の実施と事前/事後の研究会の開催:まず、韓国フィールドワークを前に、中国現地の専門的研究者を招いて朝鮮人「満洲」移民に関する研究会を開催する。次に、中国現地の朝鮮人「満洲」移民の専門的研究者とともに韓国を訪問し、朝鮮人「満洲」移民に関する公開研究会を韓国の研究者とともに開催し、さらに朝鮮人「満洲」移民の送り出し先であった原州(予定)のフィールドワークを実施する。研究活動の中間報告として、以上の1)2)のフィールドワークの成果を記録化するとともに、関係者の見解や論点を集約するための公開フォーラムを実施する。 3)写真論文集出版に関する準備:朝鮮人「満洲」移民の写真論文集出版に向けた準備を進める。 4)第1課題「『満洲』のジェンダー/セクシュアリティ」に関する公開研究会の準備:この主題に関係する専門研究者を招聘して、公開研究会の準備を進める。
|