研究課題/領域番号 |
16H03332
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研究機関 | 帝京平成大学 |
研究代表者 |
狩野 朋子 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 講師 (40552021)
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研究分担者 |
岩原 紘伊 (箕曲紘伊) 東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (80757419)
郷田 桃代 東京理科大学, 工学部建築学科, 教授 (50242128)
田中 孝枝 多摩大学, グローバルスタディーズ学部, 専任講師 (50751319)
堂下 恵 多摩大学, グローバルスタディーズ学部, 教授 (90434464)
山下 晋司 帝京平成大学, 現代ライフ学部, 教授 (60117728)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 世界遺産 / 防災 / ヘリテージツーリズム / 持続可能性 / 建築 / 文化人類学 / リコンストラクション |
研究実績の概要 |
2年目(29年度)は前年度(28年度)に明らかとなった研究成果から各分担者がそれぞれの地域(日本、インドネシア、中国、トルコに加えてネパールを含む)に沿った研究を発展させると同時に、災害の種類、復興のあり方、防災文化、防災・減災指針等について調査・分析を行った。これらの分析ならびに比較研究を通して、災害や被害を軽減させるための工夫や計画を整理した。 ①現地調査と分析:住民インタビューや大学研究者、市役所等の担当者からの情報収集、空間の実測等を行い、遺産およびその周辺エリアのコミュニティを単位とする防災・減災の知恵や空間特性を分析し、文書や写真、図面等にまとめた。 ②研究打ち合わせ・ワークショップ:前年度同様、研究の打ち合わせ会を適宜実施した。中国調査では、上海・同済大学(WHITRAP上海センター)と四川・西南交通大学で計2度の国際ワークショップも実施し、中国国内の世界遺産エリアが抱えている課題、防災対策、四川大地震後の復興計画と現状等について、行政担当者や建築家から詳細な情報が提供され、意見交換を行った。また収集した情報に基づき、現地視察を行った。これらを通して、研究の方向性を明確化すると同時に、建築ならびに文化人類学の両視点から既存の防災計画の課題を明確にしようとしてきた。 ③情報交換・発表:中間的な成果を各自が関連学会やシンポジウム等で発表するほか、本科研メンバー全員の成果を取りまとめて”World Heritage Sites and Tourism in Asia in Relation to Disaster Risk Management”を執筆し、EATSA2017JAPANで発表して様々な専門家との意見交換に努めた。また、世界遺産、防災、観光等、関連する研究協力者や専門家との研究会も実施し、アジア各種世界遺産エリアでの防災計画ならびに関連活動について有益な情報を得ると同時に、本研究の進展に関わる貴重なアドバイスを頂くことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
特に大きな障害もなく、計画的に研究を進めている。 当初の予定に加えて、ネパール・パタンでの現地調査と住民集会に参加することができた。この住民集会は、ゴルカ地震(2015年)前から継続的に行われており、防災ガイドラインづくりならびに防災マップの作成を目的として開催されたものである(立命館大学歴史都市防災研究所所長・大窪健之教授主催)。本研究を遂行する上で、大変有益な情報を得ることができた。
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今後の研究の推進方策 |
30年度(最終年度)は、これまでの研究をまとめ、各地域における防災・減災の指針を提案すると同時に、比較研究を通して理論的な枠組みをつくる。 またトルコの世界遺産ベルガマで住民(教育)ワークショップを実施して、これまでの知見や提案を具体的な防災計画へ落とし込んでいく。 研究成果は、国内の学会(日本文化人類学会、総合観光学会、日本建築学会、都市計画学会等)と国際的な学会・研究集会(EASA2018ストックホルム,Kyoto Conference on Future of the Past 京都,ICBR2018 リスボン等)で発表予定である。
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