研究課題/領域番号 |
16H03347
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 貴之 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (20434607)
|
研究分担者 |
鈴木 真 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 准教授 (30536488)
笠木 雅史 名古屋大学, 教養教育院, 特任准教授 (60713576)
井頭 昌彦 一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (70533321)
太田 紘史 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 准教授 (80726802)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | メタ哲学 / 直観 / 実験哲学 / 自然主義 |
研究実績の概要 |
今年度は、本研究プロジェクトの5つの研究課題のうち、従来の哲学方法論の批判的評価、哲学的自然主義の可能性と限界、実験哲学の哲学的意義の評価、という3つの課題についておもに研究を進めた。 従来の哲学方法論の批判的評価に関しては、2017年10月に香港大学からマックス・ドイッチュ氏およびジェニファー・ネド氏を招いて、科学基礎論学会秋の研究例会および東京大学で、哲学における直観の重要性と信頼性に関するワークショップを開催した。また、笠木雅史が同月に開催された日本科学哲学会のシンポジウムで、分析哲学における哲学方法論の歴史について発表を行った。 哲学的自然主義の可能性と限界に関しては、井頭昌彦が自然主義の定式化や代替案を論じた論文を発表し、鈴木貴之と太田紘史が、自然主義的な心の哲学の現状や課題について、論文や共著を発表した。また、鈴木貴之が道徳に関する心理学研究の哲学的意義について、2018年2月に東京大学で開催された社会心理学コロキウムで発表を行った。 実験哲学の哲学的意義の評価に関しては、笠木雅史が文化間の実験哲学研究に関する問題について論文を発表し、鈴木貴之が哲学における責任をめぐる議論の現状と、そこにおける実験哲学の意義について論文を発表した。また、鈴木真が実験哲学についての辞典項目を執筆した。 さらに、来年度以降に本格的に研究を進める予定であるメタ哲学的観点からの哲学史の見直しに関しても、2017年8月に東京大学で研究会を開催し、小山虎氏が20世紀前半における分析哲学と科学哲学の関係について講演した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間前半に取り組む予定であった3つの研究課題について、順調に研究が進んでいる。本年度は研究代表者の所属大学が変更になったこともあり、多くの研究会を開催することはできなかったが、各自が研究成果を発表することができた。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度より研究期間の後半となるため、これまで中心的に取り組んできた3つの課題についての研究成果の公表を進めるとともに、残る2つの研究課題である哲学的知識の本性の解明およびメタ哲学的観点からの哲学史の見直しについても、研究会等の開催を通じて研究を本格化させる予定である。また、次年度には最終的な研究成果の公表方法についても検討する予定である。
|