研究課題/領域番号 |
16H03356
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
伊達 聖伸 上智大学, 外国語学部, 准教授 (90550004)
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研究分担者 |
増田 一夫 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (70209435)
見原 礼子 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (70580786)
井上 まどか 清泉女子大学, 文学部, 准教授 (70468619)
木村 護郎クリストフ 上智大学, 外国語学部, 教授 (90348839)
小川 公代 上智大学, 外国語学部, 准教授 (50407376)
諸岡 了介 島根大学, 教育学部, 准教授 (90466516)
岡本 亮輔 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (30747952)
江川 純一 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (40636693)
内村 俊太 上智大学, 外国語学部, 准教授 (90710848)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 宗教学 / 地域研究 / ヨーロッパ / 世俗主義 / 政教関係 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、7月と9月に定例研究会を開催した。また、ベルギーおよびヨーロッパにおけるイスラームを専門とするルーヴァン・カトリック大学のブリジット・マレシャル教授を招聘し、講演会とシンポジウムを開催した。そのほか、メンバー各自が現地調査を含む研究を遂行し、国際的なネットワークの構築にも努めた。 7月の定例研究会では、オリオン・クラウタウが昨年度に行なったポルトガルの現地調査を報告し、井上まどかが政教関係の国際比較に関する先行研究を批判的に検討した。9月の定例研究会では、増田一夫が現地調査に基づきながらフランスおよびドイツのイスラームを比較し、岡本亮輔がメジェゴリエの聖母出現に見られる宗教の現代性を多角的に検討した。 ベルギーから招聘したブリジット・マレシャル教授からは、現代ヨーロッパにおけるイスラームの諸潮流について多くの情報と知見を得た。長崎大学で行なわれたシンポジウムでは、ドイツをフィールドとする石川真作東北学院大学准教授からコメントをいただいた。見原礼子はマレシャル教授、塩崎悠輝マレーシア国際イスラーム大学助教授とともに、日本のムスリムコミュニティに関するフィールド調査を実施し、ヨーロッパのムスリムコミュニティとの比較研究を行なった。 そのほか、増田一夫はフランス国立社会科学高等研究院教授エルヴェ・ル・ブラーズの講演会を組織し、マクロン大統領就任にともなう新しい政治状況を把握する手がかりを得た。木村護郎クリストフはミュンヘン大学マルクス・ヴォグト教授と連携し、ドイツの教会がエネルギー転換において果たしてきた役割と日本における宗教の公共的な活動の意義と可能性について共同研究を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の2年目に当たる平成29年度は、1年目にメンバーで共有した枠組みにのっとりながら各自が現地調査を含む研究を進めた。また、メンバーにヨーロッパ各国の地域の専門家がいることを活用し、メンバー各自が専門とする国の分析に自閉することなく、むしろ自分の専門とするテーマを切り口にすることで、複数の国を比較していくことを心がけた。 また、研究代表者である伊達聖伸は、現代フランスにおける世俗と宗教の錯綜とした関係を解きほぐしながら分析する著書を刊行した。ヨーロッパの他の社会との比較を考えるひとつの足がかりとも位置づけられるもので、平成30年度以降の研究を進めるうえでも有用であると思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成30年度もまた、引き続き定例研究会を開催して情報の共有をはかりながら共同研究を進める。6月にはサラエボ大学よりディーノ・アバゾヴィッチ教授を招聘し、これまで本研究において手薄であったバルカン地域の政教関係について認識を深めたい。9月にはイギリスを中心に現代社会の宗教のあり方を分析するための理論的枠組みを作りあげてきたグレース・デイヴィー英エクセター大学教授を招聘し、比較の枠組みを洗練したい。また、最終年度に向けて、メンバー各自で論集のための執筆を進めていく。
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