研究課題/領域番号 |
16H03364
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
森岡 卓司 山形大学, 人文学部, 准教授 (70369289)
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研究分担者 |
元木 幸一 山形大学, 人文学部, 名誉教授 (10125669)
石澤 靖典 山形大学, 人文学部, 教授 (20333768)
小林 俊介 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (50292404)
尾崎 彰宏 東北大学, 文学研究科, 教授 (80160844)
佐々木 千佳 秋田大学, 教育文化学部, 准教授 (50400198)
成田 雄太 東北大学, 情報科学研究科, 博士特定研究員 (70774157) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 写真 / 美学 / 近代地方文化史 |
研究実績の概要 |
シンポジウム「近代都市の相貌 明治山形の写真・絵画・建築」(2016.10.16,於山形大学人文学部、主催山形大学人文学部附属映像文化研究所)を開催し、明治山形のイメージ形成における視覚文化の寄与を多面的に考察した。基調講演は小林(研究分担者)が、司会は森岡(研究代表者)、コーディネートは石澤(研究分担者)がつとめた。高橋由一・源吉の絵画との関わり、写真師としての系譜を含め、菊池新学写真について総合的な検討が行われた本シンポジウムは、山形美術館展覧会「統一山形誕生140周年 絵画と写真にみる山形の近代」の連携企画として行われた。山形美術館学芸員を含むその登壇者との間に、本研究課題グループとの協力関係が作り上げられたことも、本シンポジウムの重要な成果であった。 このシンポジウムと同日に、本課題研究研究グループの研究打ち合わせ会を行い、研究課題の現状について確認し、今後の計画について討議した。この中で、東北各地方の美術館をはじめとする拠点とのネットワークづくりについても話し合われ、その一部については2016年度内に既に具体的な進展を見た。 また、これに先立って2015.12.10に行われたシンポジウムの成果を、『成果報告書 没後100年記念 菊池新学シンポジウム ―東北初の写真家、菊池新学と山形の写真文化』にまとめ、2016年3月21日付けで発行した。巻頭論文石澤「菊池新学の功績と研究の現状」に引き続き、野口一雄(山形県立博物館専門嘱託、研究協力者)、平井鉄寛(鶴岡アートフォーラム副館長兼主任学芸員)の寄稿論文が並び、明治期山形の写真についての資料的な基盤研究を提示したといえる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題の基盤整備を予定した年度であったが、協力組織の構築、という点では順調に進捗した。昨年度までに構築していた山形県内の協力関係が今年度開催したシンポジウムにおいてより緊密なものとなり、また、東北以外からも新たな研究協力者を加えた。加えて、山形以外の東北各地の拠点を元木(研究分担者)が積極的に訪問し、協力関係の構築につとめた。こうした成果は、本年度発行した成果報告書における資料基盤研究にも現れており、着実に形となりつつある。 一方で、資料の収集整備の準備については、やや不安な部分もある。そのための設備費は計画時から2年目に設定しており、計画に変更が生じたというわけではない。ただ、現状では受け入れ予定資料体1件にとどまっており、資料状況の調査把握については、2年目の課題とて重視する必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
計画年度2年目は資料整備を本格化させると同時に対象とする時代を大正期以降に広げる計画である。資料整備については、2016年度までに準備、構築した協力関係を最大限にいかす工夫を行う。その際、対象とする資料の残存数が高まるため、体系的な把握にむけた精査を行う。また、研究分担者に一定期間(年度範囲内)の休職が予定されているが、その大半は研究組織のなかで補い、また残る一部分は次年度以降に組み入れるなどで充分に対応可能と考えている。 これらの研究成果の発表として、シンポジウムの開催、及び2016年度開催シンポジウム成果報告書の作成、発行を行う。対象とする時代が遷移することについては既に述べたが、さらに、これまで中心にしてきた美術史的な方法論をさらに拡大し、言説史的な観点の導入を検討する。
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