研究課題/領域番号 |
16H03374
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
原口 志津子 富山県立大学, 工学部, 教授 (40208666)
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研究分担者 |
小林 知美 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (00263989)
本井 牧子 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (00410978)
小林 直樹 大阪市立大学, 大学院文学研究科, 教授 (40234835)
鴈野 佳世子 東京大学, 史料編纂所, 特別研究員 (40570065)
五月女 晴恵 北九州市立大学, 文学部, 准教授 (50401154)
荒井 経 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (60361739)
大原 嘉豊 独立行政法人国立文化財機構京都国立博物館, 学芸部保存修理指導室, 室長 (90324699)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 日本中世絵画 / 法華経 / 大画面 / 説話 / 高精細画像 |
研究実績の概要 |
平成29年度は、平成28年度に撮影したデジタル画像に基づいて、各分担者・連携研究者がそれぞれの専門分野である説話文学、寺院史宗教史、文化財保存科学、美術史領域において研究を行った。概要は以下である。 Ⅰ 画像の合成 平成28年度には、本法寺蔵「法華経曼荼羅図」22幅の撮影を行ったが、本法寺本は大幅であるため、一幅ずつ全図を撮影するほか、一幅を20分割して撮影した。平成29年度には、画像のレンズ収差を修整し20枚を接合する作業が行われた。合成画像は、東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復日本画室・荒井経准教授の研究室において出力試作を行い、原寸大出力2枚継ぎ複製が作成された。 Ⅱ 合成画像の閲覧と「仏教美術研究の作品と史料」合同研究会 科研費基盤研究(B)「中近世絵画における古典の変成と再結晶化―話型と図様―」(研究代表者・佐野みどり)との共催でⅠの合成画像による複製の閲覧と研究会を行った。日時は2018年3月3日(土曜日)13:30~17:30で、場所は、学習院大学北2号館4階哲学科閲覧室および西2号館504教室である。 連携研究者の須藤弘敏(弘前大学)が「写される法華経 隠される伝承 二部の金字法華経から見えてくるもの」と題する発表を行った。この発表において、羽豆神社と徳性寺に蔵される「紺紙金字法華経」の制作背景が詳述され、法華経が神社に奉納される実態と叡山の関与に関する新知見を得た。また、「中近世絵画における古典の変成と再結晶化」科研発表を聴講し、有益であった。研究会には、本井牧子、荒井経、鴈野佳世子、大原嘉豊、小林知美、五月女晴恵、須藤弘敏、原口志津子、平澤キャロラインが参加した。 以上
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
画像の合成は3カ年かけて順次行う予定であるが、合成できた幅についての原寸大出力が行えており、予定通りに進捗している。 分担者、連携研究者には本科研の意義が共有されており、各分担分野において成果を発表している。また、科研メンバーだけによる研究会ではなく、他の科研との合同研究会を行い、成果を共有できた。
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今後の研究の推進方策 |
高精細画像合成の原寸大出力による複製22幅を全幅展示する機会を設ける。場所は東京を予定している。同時に、学際的な研究組織である特性を生かし、説話文学研究、寺院史宗教史研究、文化財保存科学研究、美術史研究等の研究者に開かれた研究会を行う。
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