研究課題
今年度においては、これまで研究会メンバーが個別に進めてきた研究にさらなる展望を与えるため、国際的な学術交流に力を入れた。まず、アイルランド文学の専門であるプラハ大学のオンジェイ・ピルニー教授の講演会を2018年10月15日、成蹊大学にて開催し、国際アイルランド文学協会日本支部の年次大会のために来日したアイルランドの研究者や作家も交え、中欧におけるアイルランド表象の歴史について参加者全員で討議を行った。10月31日には東京大学にて、プラハのドイツ語文化論の第一人者であるヴァイマル音楽大学のシュテフェン・ヘーネ教授および批判版カフカ全集の編者として知られるヴッパータール大学のハンス=ゲルト・コッホ教授の講演会を開催した。旧ハプスブルク帝国の都市チェルノヴィッツ、プラハ、トリエステの超領域的な文化の痕跡を記念碑という観点から読むというテーマと、カフカのテクストにおける亡霊と幽霊というテーマをめぐって議論が盛り上がった。11月2日には京都大学にて、20世紀初頭のプラハで活動した芸術家集団「オスマ」とカフカの同時代性についてと、カフカの友人マックス・ブロートを軸とした当時のプラハのドイツ語作家の文化活動について、それぞれ講演に続いて活発な意見交換が行われた。11月5日には大阪大学にて、両教授を囲む企画として、「プラハのドイツ語文学」の研究を進める同大学の三谷研爾教授の協力を得て、芸術活動と文化創造に関する座談会を開催した。なお、これまで3回にわたる「プラハとダブリン」研究プロジェクトの成果全体を総括すべく、国内学会シンポジウムの開催と論文集の出版を予定していたが、今年度において国際交流を進める過程で、新たに多くの研究課題が発見され、本プロジェクトがいまだ調査および理論化の途上であることが明らかになってきたため、現時点で全体総括を行うことはせず、今後さらに研究を継続していくこととした。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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独語独文学研究年報
巻: 45 ページ: 印刷中
れにくさ
巻: 9 ページ: 44-61
近畿大学教養・外国語センター紀要、外国語編
巻: 9 ページ: 83-95
思想
巻: 1131 ページ: 44-60