研究課題/領域番号 |
16H03423
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金田 章宏 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (70214476)
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研究分担者 |
和田 健 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (20292485)
三樹 陽介 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 国立国語研究所, 研究員 (40614889)
狩俣 繁久 琉球大学, 国際沖縄研究所, 教授 (50224712)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 八丈語 / 民話資料 / 方言語彙 / 方言文法 / 教材作成 / データベース / 消滅危機言語 |
研究実績の概要 |
1.2月に三根地区、3月に中之郷地区において写真等を見ながらの動植物語彙の調査を実施した。調査結果については順次データベース化をすすめている。(9月にも調査を予定していたが、天候不順により延期となった。) 2.地区ごとの方言による文字化作業をもとに、民話動画の作成作業を実施した。全5地区のうち大賀郷地区、三根地区、中之郷地区、末吉地区においては第1話の「桃太郎」をほぼ完成し、残る樫立地区においても大半の作業を終了した。さらに大賀郷地区、三根地区、中之郷地区、末吉地区においては第2話の「欠け皿」に着手し、地区ごとの方言の文字化をほぼ完成させ、動画の撮影の準備が整っている。完成した民話動画については教育委員会等を通じて公開する予定である。 3.八丈島で主要な作物であるイモを中心とする民俗語彙調査については、天候不順もあって、この年度は実施できなかった。 4.文法テキストの作成をすすめながら、それをもとに、研究成果の還元をかねて方言文法講座を地元で5回実施した。また、3月には若い世代が自身の方言について理解を深められるよう、八丈高校において、八丈語とその置かれた状況について講演をおこなった。地元の高校生は卒業後ほぼ全員が八丈島を離れるため、こうしたかたちで方言に対する意識を高めることはきわめて重要である。 5.この科研は現地の有志と協力しながらすすめているものであるので、年度内に5回ほど科研打ち合わせを実施し、調査の進捗状況などを確認しあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでのところ、総合的にはおおむね順調だが、一部にやや遅れが出ている。 2月に三根地区、3月に中之郷地区において写真等を見ながらの動植物語彙の調査を実施した。調査結果については順次データベース化をすすめている。この作業についてはほぼ順調に進んでいる。八丈島で主要な作物であるイモを中心とする民俗語彙調査については、天候不順もあって、この年度は実施できなかった。 地区ごとの方言による文字化作業をもとに、民話動画の作成作業を実施した。全5地区のうち大賀郷、三根、中之郷、末吉地区においては第1話の「桃太郎」をほぼ完成し、残る樫立地区においても大半の作業を終了した。さらに大賀郷、三根、中之郷、末吉地区においては第2話の「欠け皿」に着手し、地区ごとの方言の文字化をほぼ完成させ、動画の撮影の準備が整っている。一部の地区では録画作業に着手している。これについてもほぼ順調である。 文法テキストの作成作業をすすめているが、入門レベルの教材についてまだ検討を進めている段階なので、この点はやや遅れている部分である。
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今後の研究の推進方策 |
30年度は引き続き動植物語彙の調査をのこる樫立地区と末吉地区において実施する。これにより、動植物語彙の調査はいちおう全地区で完了するので、あとは補充調査によって部分的な内容の不足を補う。 八丈島で主要な作物であるイモを中心とする民俗語彙調査については、天候不順もあって調査にやや遅れが出ているので、30年度に遅れを取り戻したい。 民話動画については29年度に手がけた第2話目を完成させ、第3話目についても動画撮影にまで持っていきたい。 文法教材については入門編を完成させ、試用を実施する予定である。 今後もじもとの有志との強力作業が必須であり、十分な意思疎通を図りながら作業等を実施していく。
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