研究課題/領域番号 |
16H03423
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
金田 章宏 千葉大学, 国際教養学部, 教授 (70214476)
|
研究分担者 |
和田 健 千葉大学, 国際教養学部, 准教授 (20292485)
三樹 陽介 目白大学, 人間学部, 専任講師 (40614889)
狩俣 繁久 琉球大学, 島嶼地域科学研究所, 教授 (50224712)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 危機言語 / 八丈方言 / 民話動画 / 文法書 / 方言辞典 |
研究実績の概要 |
八丈町5地区の民話動画資料作成については、前年度から取りかかっている「桃太郎」5地区版の微修正を行ないながら、2話目「欠け皿」5地区版の動画を完成させた。地区によっては複数名での録画をおこなった。さらに、「人捨て穴」5地区版作成の準備に取りかかった。 教材については、小学校高学年~中学校向けの教材のプロトタイプがほぼ完成し、一般社会人向けの教材の開発に着手した。 八丈語辞典編纂にかかわる作業については、本科研の全期間をとおして、地元の研究協力者とともに継続的におこなわれるが、辞書の編纂自体長期的な視点に立っておこなわれるべきで、期間終了後もさらに継続していく必要がある。さいわい現在は、紙媒体でなければデータ上で自由に改訂更新が可能であるので、そうした環境基盤を整えることも本科研の重要な点である。今年度でようやく全5地区の動植物を中心とした語彙調査を完了したが、全5地区について一部の補充調査が次年度に繰り越されることになった。これとは別に、辞書編纂の一環として基礎語彙千語超の方言調査を開始した。 あわせて、科研の期間全体をとおしての活動であるが、研究成果を地元に還元する活動の一環として民話動画作成の成果発表会を八丈町教育委員会との共催で12月に実施した。地元の教員経験者などとの共同作業の大きな成果である。 科研のメンバーは数回にわたって作業の進捗状況などを確認した。また、調査結果、作業の成果などの報告会をおこなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
5地区の民話動画資料作成についてはすでに2本を完成し、3本目の作成に入っているので、作業は順調に進んでいる。動植物の語彙調査についても、全地区での調査を終了し、補充調査を残すのみとなっており、これも順調に進んでいると言える。さらに基礎語彙の調査も最終年度前半には終了する予定である。教材作成については若干の遅れが見られるが、すでに基盤となる調査研究はされているので、とくに問題にはならない。
|
今後の研究の推進方策 |
5地区の民話動画資料作成については、3本目の「人捨て穴」5地区版作成に入る。 教材については、小学校高学年~中学校向けの教材と一般社会人向けの教材を完成させる。 開発の完了した民話動画や教材等を公開する。 八丈語辞典編纂にかかわる作業については、本科研の全期間をとおして、地元の研究協力者とともに継続的におこなわれるが、辞書の編纂自体長期的な視点に立っておこなわれるべきで、期間終了後もさらに継続していく必要がある。さいわい現在は、紙媒体でなければデータ上で自由に改訂更新が可能であるので、そうした環境基盤を整えることも本科研の重要な点である。動植物の語彙調査はすでに全5地区を実施したが、一部については補充調査が必要なのでそれをおこなう。 科研の期間全体をとおしての活動であるが、研究成果を地元に還元する活動の一環として、講座や講演などを昨年度に引き続き積極的に実施する。科研のメンバーは2か月に1回程度会合をもち、作業の進捗状況などを確認する。また、年に1回、調査結果、作業の成果などの報告会をおこなう。
|