研究課題/領域番号 |
16H03432
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
藤村 知子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (20229040)
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研究分担者 |
芝野 耕司 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (50216024)
藤森 弘子 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 教授 (50282778)
望月 源 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (70313707)
佐野 洋 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (30282776)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | Can-do記述文 / 初級文型 / 場面設定 |
研究実績の概要 |
Can-doリストに対応した談話の収集とパターンの抽出 今年度は、初級文型を組み合わせてモデル会話を作り、その会話を通じてどんな場面でどんなことが日本語で言えるようになるのか、Can-do記述文と照合する調査を行った。自己紹介、1日の行動、持ち物、買い物、家族といった身近なことから、実験室でのマナー、自国との比較、生活習慣の相違の説明など抽象的な内容についても、使用する語に十分配慮すれば初級文型を使って表現できることがわかった。 学習者にも場面を意識させることにより、何が日本語で言えるようになったのかを明確に示すことができ、特に海外の日本語学習者が自ら考えて日本語を話す機会を作るのに役立った。 今後は字幕コーパスと文型との照合から、当該文型が使える場面のバリエーションを増やし、日本語学習者のおかれている状況と合う場面で日本語を使う練習が行えるよう、練習のリソース提供に役立つ情報を蓄積していく予定である。また、同じ場面でも文型や表現にさまざまなバリエーションがあると考えられ、日本語のレベルごとに整理することも試みる予定である。 字幕コーパスは3.3億語の規模を有する話し言葉コーパスであり、日常生活、ニュース、教育番組などさまざまなジャンルからなっており、日本語学習教材の場面設定が豊かになるものと考えられる。 最終的には、Can-do項目達成に必要な談話例を字幕コーパスから収集し、Can-do項目ごとに談話例を集積することを目指し、文型シラバスの教材をCan-doリストに対応させた教材に組みなおすためのデータを蓄積する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度は、文型から字幕コーパスを検索し、当該文型が使われている場面を抽出するということができなかった。また、Can-do項目達成に必要な談話がどのような文型からなっているのか、パターンを抽出することができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、文型から字幕コーパスを検索し、文型の使用頻度を出して、優先して教える項目の目安とする。Can-do項目達成に必要な談話がどのような文型からなっているのか、パターンを抽出する。当該文型がどのような場面で使用されるのか、できるだけ談話例を収集し、会話練習の素材を増やしていく。文型シラバスの教材をCan-doリストに対応させた教材に組みなおすためのデータを蓄積する。 字幕コーパスは3.3億語の規模を有する話し言葉コーパスであり、日常生活、ニュース、教育番組などさまざまなジャンルからなっており、日本語学習教材に提供するデータ作成に有効活用する。
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