研究課題/領域番号 |
16H03437
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研究機関 | 東京女子大学 |
研究代表者 |
石井 恵理子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90212810)
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研究分担者 |
齋藤 ひろみ 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (50334462)
池上 摩希子 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (80409721)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 複数言語背景 / 子ども / 言語支援 / 課題解決方法 / ネットワーキング / 発展型支援体制 |
研究実績の概要 |
研究初年度である28年度は、国内・海外における調査地、調査対象機関・組織の選定のための情報収集を行い、調査可能な状況となったところから、順次調査を開始した。 国内については、埼玉県さいたま市、横浜市、川崎市、静岡県、長野市、熊本市について、子どもの日本語教育に関する地域全体の状況の把握と、課題となっていること、現在の取り組み等についての状況を,研修会等の機会をとらえて聞き取りを行った。 海外については、カナダの日系人が多数居住しているブリティッシュコロンビア州のグラッドストーン市、リッチモンド市の2市において日本語背景の子育てに関する概況を調査した。さらに日本語学校等の協力を得て、子育て中の親(主に母親)を対象にアンケート調査およびインタビュー調査を実施した。カナダにおけるインタビュー調査の分析をもとに、子育てネットワーキングにおける活動形態に関する研究発表を行った。 また、次年度に予定していたタイ調査に関して、バンコク市で現地の研究会に講師として参加できる機会が確保でき、前倒しでタイの概況についての情報を得ると共に、研修後に参加者に対して調査協力の募集を行い、協力者を確保するなど、次年度の調査研究の足場作り、予備的調査を行うなど、海外調査について計画を変更し、進めた。 研究会(子どもの日本語教育研究会)を立ちあげ、8月に横浜市でワークショップ、12月に京都市で研究会、3月に東京で研究大会を行い、複数言語背景の子どもに関わる研究者、教師、支援者、行政担当者等、関係者による研究の発表と情報交換・共有を促進すると共に、課題の所在を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内においては、調査地確定の前段階としての情報収集と聞き取りに留まったが、海外に関してはカナダでの調査を実施し、分析を進めて発表する段階まで進められ、またタイでの調査の体勢が整えられるなど、当初の予定より大きく前進した。
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今後の研究の推進方策 |
海外調査については、調査が概ね完了したカナダのデータ分析を進め、研究発表等を行うことでフィードバックを得る。28年度に調査準備の整ったタイでの調査を実施し、データ分析を進める。カナダとの比較分析により、社会環境の違いによるネットワーク構築の様相に着目して考察を進める。さらに、もう1カ国(韓国を予定)についての調査の準備を行い、整い次第調査を実施する。 国内については、28年度に全体概要について聞き取りを行った地域の中から、さらなる調査を進める地点を選定し、親や支援者、教師等を対象とした調査を開始する。また、年3回の研究会を継続して開催し、研究発表、課題の共有等推進の場をつくり、ネットワーク形成の支援を行いつつ、複数言語背景の子どもに関する関係者の課題意識、連携体制等についてデータ収集と分析を進めて行く。
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