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2019 年度 実績報告書

複数言語背景の子どもの日本語支援を支えるネットワーキングに関する実践的研究

研究課題

研究課題/領域番号 16H03437
研究機関東京女子大学

研究代表者

石井 恵理子  東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (90212810)

研究分担者 齋藤 ひろみ  東京学芸大学, 教育学研究科, 教授 (50334462)
池上 摩希子  早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (80409721)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2021-03-31
キーワード子ども / 複数言語環境 / ネットワーク / 言語支援 / 学習支援 / 地域コミュニティ
研究実績の概要

年度計画に基づき、8月に広島において研究会を開催した。市の教育委員会からの協力をとり、市の小学校を会場とし、教育委員会にも働きかけたことにより、参加者は研究者や子どもの日本語・母語の習得に関わる実践者にとどまらず、学校教員や教育委員会関係者など、幅広く子どもの教育に関する人たちの参加を得た。言語教育の関係者のほか、心理学領域からの知見も得られ、子どもに関わっている多様な立場の実践者それぞれにとっても大きな刺激を得られた。学齢の子どもたちの環境整備には、家庭と共に学校の状況が大きな役割を果たす。個々の教員の努力は、学校という環境の中では少数の存在であり、学校のカリキュラムの中で彼らの指導に割ける時間や人員を確保する必要は必ずしも周囲に理解されない。
11月に開催した研究会では、実践者と研究者の双方の立場から,複数言語の子どもを取り巻く課題とそれを取りまく日本語の指導についての議論が得られた。
3月に予定していたタイ・バンコクでのワークショップ開催がコロナウイルス禍が広がったため、開催不可能となった。同時に計画していた複数言語環境で子育てしている親や教師への聞き取り調査も実施不可能となった。これらは見込みとして、次年度9月に延期することとした。
国内での3月に開催予定の研究大会も、直前に中止となった。これをふまえ、次年度も同様な状況となる可能性を鑑み、オンライン等、多様な方法で研究・実践活動の成果を共有できる方法を模索している。
次年度が最終年度であり、データのとりまとめ等を年度末から徐々に進めることを考えていたが、全体に最終年度の予定について、状況をみながら見直しをしていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

研究のまとめを念頭におきつつ進めるが、昨年度延期となったタイでの研究会および調査の実施が可能な状況になるか、現時点では延期した調査を予定通り9月にできるか、見通しは厳しい。来年の3月に延期して実施の計画もあるが、確実には見通せない状況にある。国内においても、大幅に計画を変更することが必要であるが、研究会等については対面が困難な場合の代替措置が部分的にでもとれるよう実施方法等を工夫しつつ、できる範囲で進める。
研究代表者の健康上の問題でさらに研究計画の実施に遅れが出ているが、可能な範囲で研究計画の調整を試みながら、研究のまとめ、あるいはまとめに向けた見通しを得る。

今後の研究の推進方策

昨年度開催を延期したタイでの研究会については、日本およびタイの状況如何で判断を行うが、タイでの開催が困難な場合は、オンラインによるインタビューなども含め、少しでもデータが得られるよう工夫したい。しかし、遠隔の場合の調査に関する準備・実施等が十分にできるか、実施における課題を十分に検討する必要がある。
その他についても、昨年度に実施すべきことが、3月以降の状況により計画通りに推進できていない。今年の活動についても既に遅延や実施についての判断を検討しているものが多々出てきている。これまで対面で行ってきた様々な研究および実践活動について、オンライン等による実施をはじめ、活動の方法や内容の工夫や精査によって、できることを工夫し、部分的でも可能なところを順次進めて行く。当初予定していた調査や研究会等については、今後の状況を見ながら、計画のなかでの優先順位、実施方法等を再度検討する、場合によっては計画の見直しも行う。分担者および調査協力者等関係者との相談を踏まえて実施する。

  • 研究成果

    (17件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 多様な言語文化背景をもつ生徒に対する教育の現状と課題2020

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひろみ
    • 雑誌名

      早稲田大学国語教育学会『国語教育研究』

      巻: 40 ページ: 62-68

  • [雑誌論文] 子どもたちの「ことばの学び」を描く-実践の言語化と共有-2020

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひろみ
    • 雑誌名

      『子どもの日本語教育研究』

      巻: 2 ページ: 9-19

  • [雑誌論文] JSLの子どもを対象とする内容重視の日本語教育 -日本国内の実践・研究の動向から2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひろみ
    • 雑誌名

      第二言語としての日本語の習得研究

      巻: 22 ページ: 10-28

  • [雑誌論文] JSLの子どもを対象とする内容重視の日本語教育-日本国内の実践・研究の動向から2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひろみ
    • 雑誌名

      異文化間教育

      巻: 49 ページ: 145-147

  • [雑誌論文] 多文化共生社会における日本語教育の未来2019

    • 著者名/発表者名
      石井恵理子・毛受敏浩
    • 雑誌名

      『日本語』

      巻: - ページ: 96-101

  • [雑誌論文] 地域における日本語教育の現状と課題―「生きるためのことば」という視点の必要性2019

    • 著者名/発表者名
      池上摩希子
    • 雑誌名

      『ガバナンス』

      巻: 11月号 ページ: 20-22

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 校内で教師が共に考える「勉強会」の実践 -外国につながる子どものことばの教育を支える試みから見える教師の変容-」2019

    • 著者名/発表者名
      池上摩希子
    • 雑誌名

      子どもの日本語教育研究

      巻: 2 ページ: 79-98

  • [雑誌論文] 個人の経験を社会・変革・未来へつなげる実践を目指して―ナラティブをリソースとする教材作成の試み2019

    • 著者名/発表者名
      八木真奈美・池上摩希子・古屋憲章
    • 雑誌名

      言語文化教育研究

      巻: 17 ページ: 404-423

  • [雑誌論文] 継承日本語学習児における二言語の作文力の発達過程-ドイツの補習校に通う独日国際児の事例からー2019

    • 著者名/発表者名
      ビアルケ千咲・柴山真琴・高橋登・池上摩希子
    • 雑誌名

      日本語教育

      巻: 172 ページ: 102-117

    • 査読あり
  • [学会発表] 「日本語教育の推進に関する法律」と今後の課題2019

    • 著者名/発表者名
      石井恵理子
    • 学会等名
      Bilingual/Multilingual Child Network (BMCN) 2019
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] 多言語環境にある子ども達の受け入れ状況に関する調査<中間報告>2019

    • 著者名/発表者名
      嶽肩志江、石井恵理子、桶谷仁美
    • 学会等名
      Bilingual/Multilingual Child Network (BMCN) 2019
    • 国際学会
  • [学会発表] 多様な言語文化背景をもつ生徒に対する教育の現状と課題2019

    • 著者名/発表者名
      齋藤ひろみ
    • 学会等名
      早稲田大学国語教育学会(280回大会)
    • 招待講演
  • [学会発表] 就学前の外国籍児童・親子へのプレスクール教室の実践による家庭の文化資本の発掘2019

    • 著者名/発表者名
      内田千春・齋藤ひろみ
    • 学会等名
      MHB研究大会
  • [学会発表] 外国につながる子どもに対する日本語教育に求められる内容と方法―「行政の動向も視野に入れながら考えるべきこと―2019

    • 著者名/発表者名
      池上摩希子
    • 学会等名
      東京の日本語教育を考える会
  • [学会発表] 子どもたちの『日本語で学ぶ力』を生かす授業の工夫2019

    • 著者名/発表者名
      池上摩希子
    • 学会等名
      子どもの日本語教育研究会 第4回ワークショップ
  • [学会発表] 多様な言語文化背景をもつ子どもの教育-人材育成における「特別視しない」という壁2019

    • 著者名/発表者名
      市瀬智紀・齋藤ひろみ・濱田麻里・中山あおい
    • 学会等名
      日本国際理解教育学会 第29回研究大会
  • [学会発表] 子どもの複言語発達を保障する保育・教育に求められる専門性の検討2019

    • 著者名/発表者名
      内田千春・齋藤ひろみ
    • 学会等名
      日本教師教育学会

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公開日: 2021-01-27  

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