8週間にわたる縦断的学習者コーパス(245名分、1,836エッセイ、約36万語)を構築し、エッセイ評価の上昇に影響する要因を分析し、総語数や節数などが影響を与えることを確認した。コーパスより構文部分木を抽出し、平均統語距離を調べた結果、母語話者に比べ学習者の部分木は統語的複雑性が低いことが明らかになった。構文知識を学習者も持っているかどうかを視線計測実験で調べたところ、二重目的語構文については母語話者と同様に持っていることを示唆する結果が得られた。言語処理の基本単位として構文部分木を使うことにより、第二言語処理能力の発達過程を包括的に説明できる可能性を確認した。
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