研究課題/領域番号 |
16H03446
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田地野 彰 京都大学, 国際高等教育院, 教授 (80289264)
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研究分担者 |
寺内 一 高千穂大学, 商学部, 教授 (50307146)
金丸 敏幸 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (70435791)
高橋 幸 京都大学, 国際高等教育院, 准教授 (50398187)
笹尾 洋介 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (80646860)
マスワナ 紗矢子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 講師 (60608933)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 英語 / EAP / ライティング / タスク / 教材開発 |
研究実績の概要 |
平成28年度は、本研究の目的である、英語論文作成技能と知識の向上のための自律学習システム構築に向けて、以下の3点の調査研究を行った。 (1) EAPライティング教育の現状と課題を把握するために、EAP教育を実施している国内の大学のカリキュラム実施責任者に対して、科目構成、到達目標、評価方法、運営体制、特徴的な工夫などについて質問紙調査を実施した。インタビュー調査が可能な大学に対しては、専門教育課程の研究者との連携方法を含めて、さらに詳細な聞き取りを行った。また、EAPライティング授業のシラバスに書かれた授業内容や到達目標のテキスト分析を行い、ライティング教育の現状を明らかにした。 (2) 英語授業担当者が目標とするEAPライティング技能と知識の明確化を行った。まず、文献調査に基づき、EAPライティングに必要と考えられる技能と知識の項目を幅広く抽出した。その結果に基づき、EAPライティング授業担当者を対象とした質問紙の予備調査を行い、質問項目を再検討した後に、本調査を実施した。なお、分析に必要な回答数を得るため、平成29年度も継続して本質問紙調査を行う予定である。 (3) International Symposium on English for Academic Purposesを開催し、英国と香港のEAP カリキュラム開発の専門家(University of WarwickのNeil Murray氏とHong Kong Polytechnic UniversityのJulia Chen氏)を含む5名の研究者がEAPライティングに関する発表を行った。また、彼らを対象としたインタビュー調査を実施し、次年度に実施予定である各専門分野の研究者を対象としたニーズ分析における質問項目の作成の参考とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
EAP教育を実践する諸大学の関係者を対象として質問紙調査およびインタビュー調査を実施することができた。当初予定していた諸外国への視察調査の代わりに、英国と香港からEAPライティング教育に携わる研究者を招待し、京都大学にてEAP国際シンポジウムを開催するなど、おおむね研究計画通りに進めることができたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、以下の3点について調査研究および発表を行う予定である。 (1) 各専門分野の研究者が必要と考えるEAPライティング技能と知識に関してニーズ分析を行う。具体的には、各専門分野の研究者を対象とした質問紙調査およびインタビュー調査を実施し、前年度に行った英語教授者が考える望ましいEAPライティング技能と知識と比較し、その相違について考察する。 (2) 学術論文を用いたジャンル分析を行い、EAPライティングに必要な技能や知識がどのように具現化されるかについて明らかにする。調査対象者の専門分野における論文の選定と収集を行い、論文中の特徴的な語彙や表現の抽出、分野特有の文章展開について分析を行う。 (3) 香港大学での国際会議にてこれまでの研究成果を発表する予定である。また、前年度に計画していた英国の大学への視察調査も実施する予定である。
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