研究実績の概要 |
2016年度は研究初年であるために準備期間として活動し、今後の開発に向けた課題を検討し開発方針を策定した。新たな評価システム開発のための準備・事前調査が以下のように実施された。1)TOEICミニテストを実施する 2)アンケートでは、学習者の意欲や学習の継続性にどのように影響するかを検討するための WEB 版アンケート調査と調査実験の準備をした。WEB 版調査の結果を基に,学習意欲を高める教材の要因分析を行い,教材選択の基準を策定した。3)音声モデル用教材の構築では,シャドーイング用の英文教材について文章のトピック、難易度(文の長さ,語彙レヴェル、文法・構文)、音声的特徴(音変化,アクセント等)を考慮した。4)学生の録音データを分析する①手動評価では、英語教員が手動評価した結果をヘペアにしてデータベース化して「音声コーパス」を作成・収集した②自動評価では峯松・山内科研で開発された既存の自動評価システムを京大で実施し,さらに,posterior probability supportvectorという音声情報工学の最新の知見を基にした自動評価分析も発展的に実施した。この結果,従来の自動評価よりも精度の高い評価ができるようになることがわかった。5)音声コーパスの作成 英語教員が,シャドーイングした音声を繰り返し聞き,発音と韻律と心的辞書へのアクセスという3つの観点から5段階で手動評価を行った。この作業によって,ある英文をどのようにシャドーイングした音声は,5段階でどのくらいのパフォーマンスとして評価されるかという対応がつくようになる。このように,シャドーイング音声に対する評価ラベルを付加することによって,音声コーパスが作成され,コンピュータにこのコーパスを機械学習させることで,評価精度を向上させることができた。
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