研究課題/領域番号 |
16H03450
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
榎田 一路 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (20268668)
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研究分担者 |
鬼田 崇作 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (00611807)
森田 光宏 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (30422166)
セルウッド ジェームス 広島大学, 外国語教育研究センター, 特任講師 (30726865)
阪上 辰也 広島大学, 外国語教育研究センター, 講師 (60512621)
J・J Lauer 広島大学, 外国語教育研究センター, 准教授 (70263639)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 言語学 / 外国語教育 / e-ラーニング / コンピュータ支援学習(CALL) |
研究実績の概要 |
1年目となる28年度は,本研究の対象とする英語指導モデルに必要な準備を行った。具体的には,(1)CAN-DOリストの開発,(2)eポートフォリオシステムの立ち上げおよびプラグイン開発,および(3)オンライン教材開発,以上の3点である。 まず,eポートフォリオに搭載するためのCAN-DOリストを開発した。様々に乱立するCAN-DOリストを精査した結果,研究対象校でクラス分けテストや成績評価の目安として活用されている英語外部検定試験のスコアとの連動を視野に入れ,同試験の実施機関によるCAN-DOリストを用いて開発を行った。研究対象校の1年生約1,000名を対象に,1年間にわたる質問紙調査を行い,いわゆる四技能にInteractionとFunctionを加えた,計6項目からなるCAN-DOリストを開発した。 次に,eポートフォリオシステムの立ち上げと,CAN-DOリストを搭載するためのプラグイン開発を行った。eポートフォリオシステムは,広く用いられているmaharaを採用した。また,同システムに上述のCAN-DOリストを組み込むことで,研究対象校の学習者が,各自の英語運用能力に応じた学習到達目標を設定し,その達成に向けた学習支援を得られる機能を搭載することとした。この機能を実現するためのプラグインを開発した。 最後に,eポートフォリオと連携させるための教材開発を行った。eポートフォリオシステムで提供される学習支援の一環として,会話・ドラマ・ディスカッション・時事英語など,学習者各自の英語レベルと興味に応じて選択できる音声教材計112本を作成した。これらの教材はポッドキャストとして一般に配信・公開されている。 今後,これらのCAN-DOリストとeポートフォリオを活用した指導モデルを実施し,その評価のためのデータの収集と分析を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を遂行するのに必要な,CAN-DOリスト,eポートフォリオシステム,および連携のための教材の準備が完了し,2年目の本格運用に向けての態勢を整えることができた。CAN-DOリストは研究対象校における1年間の調査に基づいており、対象校学生の英語力などの実情を十分に反映している点で,2年目以降に利用するにあたり信頼に足るものが開発された。eポートフォリオも,研究対象校での利用に特化するための機能を付加するためのプラグイン開発が完了している。教材開発においては,過去の膨大な量の蓄積に加え,対象学生の興味とレベルに対応した最新の内容のものを提供する準備が整った。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は,前年度に構築・開発されたeポートフォリオシステムおよびポッドキャスト教材に基づき,これらを対象クラスの授業実践において運用し,各種データを収集する。CAN-DOリストで示される到達目標については,引き続き修正を行い,CAN-DOリストと連携したWBT・ポッドキャスト教材の開発も継続する。その上で,eポートフォリオおよび開発された教材を対象クラスでの一斉指導および個別学習に本格的に運用し,縦断研究を行うための学習データを収集するとともに,アンケート調査を行う。さらにこれらの学習データとアンケート調査について分析し,彫られたデータに考察を加えるなどして,その成果を国内外の学会で報告し,論文発表などを行う。
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