研究課題/領域番号 |
16H03463
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
金井 光太朗 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (40143523)
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研究分担者 |
鈴木 茂 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (10162950)
篠原 琢 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20251564)
千葉 敏之 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (20345242)
吉田 ゆり子 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (50196888)
青山 亨 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90274810)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 歴史教育 / 高大連携 / 世界史 / 日本史 / 地域研究 / グローバルヒストリー / 歴史総合 / 用語精選 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き、2017年5~6月、東京外国語大学入学者を対象として、出身高校における歴史教育の実態調査を実施した。回答者は言語文化学部326人、国際社会学部297人、合計623人であった。また、2017年12月~2018年1月、学生アンケートで学生がら「優れた教育実践者」として推薦を受けた教員を含め、過去5年間に収集した高校教員約400名に対する歴史教育の現状と課題に関するアンケート調査を実施し、199人から回答があった。これらのアンケート調査の結果の集計は教員アンケートの位置を除いて年度内に終了している。 本年度は大学入試をテーマとする高大連携を研究活動の中心的な一つの柱とし、高大連携歴史教育研究会が進めてきた高校教科書・大学入試問題の用語精選作業を念頭に、東京外国語大学の過去12年間の前期日程「世界史」問題の分析を行った。その成果として、2018年3月に報告書(その1)として、「入試問題を歴史教育に活かす」を作成し、研究会参加者に配布した。 研究会・シンポジウムについては、2017年4月12日に科研費メンバーによる研究計画の打ち合わせのほか、6月7日に第1回研究会(カトリーヌ・ドニ(リール大学)「近世フランスの植民地のポリスーフランス島ポール・ルイの事例を通じて(1767~11789)(東京外国語大学海外事情研究所と共催)、7月28日に夏期世界史セミナー(報告:鈴木茂「科研調査報告、高大連携による近現代史教育の可能性」ー科研費プロジェクト報告、東京外国語大学海外事情研究所と共催)、3月28日第2回研究会(入試問題を歴史教育に活かす」、報告:津野田興一「論述入試問題を利用した高校世界史の講習について」、鈴木茂「東京外大「世界史」入試問題と歴史用語精選」)を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
出身高校で受けた歴史教育に関する学生アンケートは、初年度に引き続き、今年度もほぼ全ての入学者を対象として5~6月に順調に実施した。学生アンケートから判明した高校教員を対象とするアンケートについては、過去4年分の対象者と合わせて12月に実施し、199人(回収率約50%)から回答を得た。ただし、実施時期が遅かったため、年度内に全てのデータ処理を完了することができず、一部を次年度送りとした。 高校教員からの直接の意見聴取は、7月の夏期世界史セミナーの折に実施した。夏期世界史セミナーでは、研究代表はじめ、本研究プロジェクトの参加者が報告した。 高校教員と共同での大学入試問題の検討及び教材化については、3月に高校教員に報告を依頼して研究会を開催した。その際、全国の高校から6人のコメンテータを招聘し、有意義な討論を行うことができた。また、東京外国語大学の2006~2017年度の前期日程「世界史」の全ての入試問題を集め、解説と用語分析を付して報告書を作成した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は3年計画で進めてきた本研究プロジェクトの最終年度を迎え、研究成果の取りまとめと成果発表を中心に研究活動を涼める。 第一に、本研究プロジェクトの前の「地域研究に基づく「世界史」教育の実践的研究」(2013~2015年、平成25~27年)の開始時から毎年実施してきた高校の歴史教育に関する学生アンケートと高校教員アンケートの総まとめを行い、その分析結果を元に報告書を作成するとともに、さまざまな機会を通して発表する。 次に、2022年度実施の高校の新学習指導要領に盛り込まれた歴史教育改革を念頭に、東京外国語大学海外事情研究所と共催する夏期世界史セミナーの一層の充実をはかり、高校教員との交流の機会を作り出す。また、年度末にシンポジウムを開催し、全国各地から高校教員をコメンテータとして招いて本研究プロジェクトの成果を検討する。 高校教員アンケート、夏期世界史セミナー、研究会参加者などの意見を踏まえ、大学教養課程における歴史教育のあり方について検討する。その際、本研究プロジェクトで進めてきた諸外国における歴史教育の事例を参考に、「自国史」と「外国史」の融合の方法を考察する。
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備考 |
科研費「地域研究に基づく「世界史」教育の実践的研究」(基盤B、研究代表者:金井光太朗、平成25-27年)のウェブページを継続して使用している。
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