研究課題/領域番号 |
16H03471
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
榎原 雅治 東京大学, 史料編纂所, 教授 (40160379)
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研究分担者 |
村井 章介 立正大学, 文学部, 教授 (30092349)
荒木 和憲 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50516276)
深澤 秋人 沖縄国際大学, 総合文化学部, 教授 (50612785)
稲田 奈津子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60376639)
須田 牧子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60431798)
小野 将 東京大学, 史料編纂所, 准教授 (70272507)
荒木 裕行 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70431799)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 史料 / 東アジア / 日本 / 地震史料 / 日明交渉 |
研究実績の概要 |
2018年に中国社会科学院近代史研究所が幹事となって予定される東アジア史料研究編纂機関第6回国際学術会議(理事機関:東京大学史料編纂所・韓国国史編纂委員会・中国社会科学院近代史研究所)に向け、重点的なテーマ研究の実施と国際研究集会での報告準備を進めた。第6回会議では、災害史料の編纂を重点的なテーマとして設定しているため、2017年度は、地震学研究者と連携して、前近代日本の地震史料の収集とデータベースの構築、および歴史地震の事例や典拠史料の史料評価に関する研究を行った。また、豊臣政権下の日明交渉史料の研究を行い、特に明朝が秀吉家臣に官職を授けた文書原本の検討を紙質調査も含めて行うことで、文書の一部が改竄されていることを明らかにし、虚実の錯綜する複雑な外交交渉過程をあぶり出すなどの成果があった。また、基盤研究(S)研究(課題番号26220402)と連携し、ロシア国立歴史文書館から同館が所蔵する東アジア三国(極東)関係史料の解説目録を入手し、研究に供した。東京大学史料編纂所所蔵対馬宗家史料(全3000冊)のうち、江戸藩邸毎日記3698コマをデジタルアーカイヴ化し、ウェブ公開に供した。これは、東アジア三国(日中韓)関係史料の研究資源化と公開・共有化の実現である。また、2016年11月に開催した東アジア史料研究編纂機関第5回国際学術会議国際学術会議の報告集(日中韓3か国語)の刊行準備をおこない、次年度当初に刊行する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)東アジア三国(日中韓)関係史料の研究資源化と公開・共有化の実現 ①東京大学史料編纂所所蔵史料のうち、東アジアの対外交流に関わる史料群のデジタルアーカイヴズ化を、同研究所の図書部と連携し、順次計画してデジタル撮影を実施し、メタデータを付与してウェブ公開を進めた。2017年度は、対馬宗家文書江戸藩邸日記3698カットがその成果である。「江戸藩邸毎日記」は、対馬藩の江戸屋敷が作成した日記であり、朝鮮通信使を中心とする対馬藩が担っていた日朝外交、幕府や他藩などと対馬藩の間での政治的な交渉、対馬藩内部での政務処理など、多岐にわたっている。近世政治史をはじめとする諸分野の研究における基礎的かつ重要な史料群である。また、②日中韓三国に関わるロシア国立歴史文書館所蔵極東関係史料解説目録を作成・入手し、基盤研究(S)研究と連携して分析を進めている。 2)重点的なテーマ研究の実施と国際研究集会での報告準備 重点的なテーマにもとづき、国際研究集会のなかでの報告の準備を進めた。今年度は、地震史料研究や秀吉家臣へ授職する明国さつ(答にリットウ)符の原本調査研究などに成果があった。 3)報告集の刊行:日中韓の各報告者に最低限の修正を依頼し、それぞれ点検の上、各国語に翻訳し直すなどの作業を経て、報告集の原稿を整えた。この刊行そのものは次年度冒頭となったが、本科研の研究目的はほぼ順調に遂行されたと評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
2018年に中国(社会科学院近代史研究所)が幹事となって予定される国際研究集会(第6回会議)に向け、以下の取り組みを実施する。 1)東アジア三国(日中韓)関係史料の研究資源化と公開・共有化の実現 ①東京大学史料編纂所所蔵史料のうち、東アジアの対外交流に関わる史料群のデジタルアーカイヴズ化を進める。対馬宗家史料(全3000冊)、美濃加納藩永井家文書の朝鮮通信使関係史料、その他の日中韓関係史料のうち、順次計画してデジタル撮影を実施し、メタデータを付与してウェブ公開をはかる。②日中韓に関わるロシア史料目録につき、日中韓での情報共有化とロシア史料調査の研究交流をはかる。 2)重点的なテーマ研究の実施と国際研究集会での報告準備:2018年北京市で開催が予定される第6回国際研究集会に参加して報告する。また、幹事機関として日本国内からの報告を準備し、国際学術会議の成功をはかる。 3)国際研究会報告集の刊行:2016年11月に開催した東アジア史料研究編纂機関第5回国際学術会議国際学術会議の報告集(日中韓3か国語)を刊行する(年度冒頭)。
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