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2016 年度 実績報告書

鹿児島県の歴史資料ネットワークの実践と展開

研究課題

研究課題/領域番号 16H03475
研究機関鹿児島大学

研究代表者

丹羽 謙治  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (40264460)

研究分担者 高津 孝  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (70206770)
金井 静香  鹿児島大学, 法文教育学域法文学系, 教授 (30295232)
日隈 正守  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 教授 (70260750)
佐藤 宏之  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 准教授 (50599339)
深瀬 浩三  鹿児島大学, 法文教育学域教育学系, 講師 (50631884)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワード資料レスキュー / デジタル化 / 目録化 / 史料ネット
研究実績の概要

前年度申請が認められ、28年度は鹿児島県の歴史資料防災ネットワークの設立とその円滑な運用を目指して、従来の活動-県内各地の資料状況の把握・デジタルカメラによる撮影・資料目録の作成など―に、新たな活動を付加して実践した。28年度の対象資料は、大武文庫、谷口家資料、木脇家資料、敬天舎資料などである。敬天舎は、戦前から活動する鹿児島市内の修養団体であるが、同舎にはその活動を示す資料が多数残されている。これは虫損や癒着が甚だしいため、鹿児島大学附属図書館で醺蒸まで行った。すべて完了するには今しばらく時間が必要であるが、着実に整理が進行している。28年度は島嶼部への資料レスキューや資料調査は十分に行えなかった。
28年度の新たな活動としては、出水市の中学校の授業の中に資料防災を取り入れる活動を組み入れたこと、熊本地震を受けて広域的な史料ネット間の連携の必要性が実感されたことから、宮崎史料ネットと連携して市民向けの企画のノウハウを吸収することに努めたこと、赤外線カメラを導入して肉眼では明らかでない文字資料の解読を行うなど実験的な活動も行ったことなどが挙げられる。
県外の史料ネットとの関係では、第3回全国史料ネット研究交流集会において報告を行っている。また、資料防災に関する発表や報告を行うとともに、著作・論考を公にすることができた。
最後に、旧科研「鹿児島県歴史資料ネットワークの構築」の研究成果報告書を作成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

鹿児島市周辺で確認、調査・撮影許可を得られた資料を対象とする整理、目録化を鋭意進めているところであり、この基本的な活動は着実に進んでいる。また、桜島とその周辺地域に対する資料状況調査を行うのに必要な準備を目下進めており、29年度にアンケートや自治体・町内会等との情報交換を行う予定である。その他の地域でも情報を得られ次第、調査を進める態勢が整っている。
一方、資料防災についてその重要性を広く市民に訴えるため、ワークショップを開催する準備が整った(平成29年4月に開催予定)。
鹿児島歴史資料防災ネットワーク(準備会)の活動を認知してもらえるようにホームページにより、随時情報を公開している。

今後の研究の推進方策

29年度以降も歴史資料の発掘、撮影、整理(目録化)を推し進めていく。その方向に変化はない。一方で、市民を巻き込んで資料防災の意識を高めていく活動、また、小中高の児童・生徒向けの取組を工夫することを考えている。宮崎史料ネットの町おこしを兼ねた資料保存の実践的活動に学び、その協力を得て、ワークショップを開催する計画を立てている。また、地方の郷土史家グループや自治体との連携する試みとして、出水市、伊佐市、南さつま市、垂水市などより緊密に連絡を取っていく。
水損資料の保存技術など、メンバーの技術の向上をめざすことも今後の課題である。28年度実施できなかった専門家を呼んでの講習会の開催も試みたい。
なお、29年度から3名の分担者(宮崎県から1名、沖縄県から2名)を追加し、県外の視点も取り入れながら活動を広げていく予定である。

  • 研究成果

    (16件)

すべて 2017 2016 その他

すべて 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (8件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 資料紹介『昭和六年木脇藤次郎日記』(一)2017

    • 著者名/発表者名
      丹羽謙治
    • 雑誌名

      鹿児島大学法文学部紀要 人文学科論集

      巻: 84 ページ: 1-20

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 「ふるさとの記憶」を災害から守り、未来につなぐための教育普及活動2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤宏之・土居祐綺
    • 雑誌名

      鹿児島大学地域防災教育研究センター 平成28年度報告書

      巻: - ページ: 69-76

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 博物館学教育で災害を伝える事―2016年熊本地震を経て、これからの博物館に関わる人材の養成を考える―2017

    • 著者名/発表者名
      山内利秋
    • 雑誌名

      九州保健福祉大学博物館学年報

      巻: 6 ページ: 23-56

    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] 琉球的出版文化與琉球漢詩集2016

    • 著者名/発表者名
      高津孝
    • 雑誌名

      人文中國學報

      巻: 22 ページ: 279-303

  • [雑誌論文] 琉球の編年体史書2016

    • 著者名/発表者名
      高津孝
    • 雑誌名

      アジア遊学

      巻: 198 ページ: 149-160

  • [雑誌論文] 琉球における漢籍受容と漢文の学習2016

    • 著者名/発表者名
      高津孝
    • 雑誌名

      福島金治編『生活と文化の歴史学 9 学芸と文芸』

      巻: - ページ: 504-525

  • [学会発表] 南海トラフ地震に向けた宮崎歴史資料ネットワークの活動2016

    • 著者名/発表者名
      山内利秋
    • 学会等名
      ,第3回全国史料ネット研究交流集会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2016-12-17 – 2016-12-17
  • [学会発表] 鹿児島資料ネットと学校教育の連携について2016

    • 著者名/発表者名
      土居祐綺
    • 学会等名
      第3回全国史料ネット研究交流集会
    • 発表場所
      愛媛大学(愛媛県松山市)
    • 年月日
      2016-12-17 – 2016-12-17
  • [学会発表] 加藤雄吉の業績―文学と資料編纂のあいだ―2016

    • 著者名/発表者名
      丹羽謙治
    • 学会等名
      平成28年度鹿児島大学法文学部国語国文学会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2016-11-05 – 2016-11-05
  • [学会発表] 歴史的文化財の保全のためのマッピング化の試み―文化財地理情報データベースの利用―2016

    • 著者名/発表者名
      深瀬浩三
    • 学会等名
      鹿児島大学地域防災教育センター第13回鹿大防災セミナー
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2016-10-20 – 2016-10-20
  • [学会発表] 中心市街地コミュニティにおける小規模なミュージアム機能の活用と評価2016

    • 著者名/発表者名
      山内利秋
    • 学会等名
      ミュージアムマネージメント学会第21回大会
    • 発表場所
      北海道大学(北海道札幌市)
    • 年月日
      2016-06-19 – 2016-06-19
  • [学会発表] 歴史災害を防災に活かす2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤宏之
    • 学会等名
      口永良部島2015噴火災害対応報告会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2016-06-04 – 2016-06-04
  • [学会発表] 熊本地震後の資料保全活動について2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤宏之
    • 学会等名
      熊本地震に関する学内情報交換会
    • 発表場所
      鹿児島大学(鹿児島県鹿児島市)
    • 年月日
      2016-05-28 – 2016-05-28
  • [学会発表] 地域の歴史を守り、未来に伝えるー歴史資料の保全と戦争の記憶ー2016

    • 著者名/発表者名
      佐藤宏之
    • 学会等名
      鹿児島県出水市立出水中学校講話会
    • 発表場所
      出水市立出水中学校(鹿児島県出水市)
    • 年月日
      2016-05-27 – 2016-05-27
  • [図書] 『自然災害と共に生きるー近世種子島の気候変動と地域社会』2017

    • 著者名/発表者名
      佐藤宏之
    • 総ページ数
      91
    • 出版者
      北斗書房
  • [備考] 鹿児島資料防災ネット(準備会)

    • URL

      http://kagoshima-shiryounet.seesaa.net/

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公開日: 2018-01-16  

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