研究課題/領域番号 |
16H03484
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研究機関 | 国立歴史民俗博物館 |
研究代表者 |
荒木 和憲 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (50516276)
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研究分担者 |
伊藤 幸司 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (30364128)
榎本 渉 国際日本文化研究センター, 研究部, 准教授 (60361630)
須田 牧子 東京大学, 史料編纂所, 助教 (60431798)
後藤 真 国立歴史民俗博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (90507138)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 日本中世史 / 日本古代史 / 東アジア史 / 交流史 / 史料 / メタデータ / ファセット |
研究実績の概要 |
5月に打合せ研究会を国立歴史民俗博物館で開催し、「東アジア交流史関係史料」の検出・採録、データ作成等の基本的な方針を協議・決定した。この機会を利用して歴博所蔵史料のサンプル調査を行い、未翻刻の日明関係史料が存在することを確認した。このため、該当する史料の調査・翻刻・データ化を研究期間内に進めることとした。 上記の打合せ研究会において、当面の作業対象をおおまかに切り分け、榎本班は中世前期の記録・典籍、伊藤班は九州に所在する中世後期の文書、荒木班は九州以外に所在する中世後期の文書・記録、須田班は東京大学史料編纂所架蔵の禅宗関係史料からの検出・データ化を進めることとした。その後、各班で研究補助作業従事者の協力を得ながら、「東アジア交流史関係史料」の検出・データ化作業を進捗させた。開始当初は採録・データ化の方針をめぐる再調整に時間を要したが、今年度末までの成果として、約1000件の史料を検出することができた。それをもとに、最終年度に作成予定の報告書『中世日本東アジア交流史関係史料集成(稿)』の原稿を作成するとともに、個別の史料の基本情報・本文テキストをデータベース化し、メタデータを付加する作業を進めた。 後者に関しては、後藤班を中心としてファセット検索システムの仕様策定・設計を進め、3月に構築が完了した。速やかに上記のデータを登録して動作テストを実施し、重大な問題がないことを確認した。キーワード検索・本文テキスト検索はもちろん、個々の史料の発信(作成)・受信にかかる人物・階層・地域、関係する東アジアの国・地域、唐物、年代などのメタデータを多重に絞り込みながら検索することが可能となった。中世日本東アジア交流史研究はもちろん、関連分野の研究に広く活用されることが期待される。なお、公開は次年度を予定しているが、公開後はデータの逐次的な追加・更新によって研究成果の速報的な発信に努める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度であるため、実際に作業を進めていくなかで、作業方針をめぐる再調整に時間を要した。そのため、史料の検出・データ化作業に若干の遅れが生じた。また、データベース検索システムはインタフェースの微調整の必要性が生じたため、初年度内の公開は見送らざるを得なかった。 とはいえ、史料の検出件数は既に1000件を越え、『中世日本東アジア交流史関係史料集成(稿)』の原稿は約300頁(A4・2段組)完成しており、データベース検索システムの基本性能にも問題はない。初年度内に分担体制・作業方法を確立できたので、次年度以降はその効率的な進捗が望める状況である。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度に引き続き、榎本班は中世前期の記録・典籍、伊藤班は九州に所在する中世後期の文書、荒木班は九州以外に所在する中世後期の文書・記録、須田班は東京大学史料編纂所架蔵の禅宗関係史料からの史料の検出・データ化を進める。後藤班はデータベース検索システムのインターフェースの微調整を進め、早期の公開、およびその後の安定的な運用を図る。 研究代表者は全体の進捗状況を管理し、個別の成果をとりまとめ、『中世日本東アジア交流史関係史料集成(稿)』の原稿作成、およびデータベース検索システムへのデータの追加作業を進める。 本研究に関連する個別研究の成果は、逐次、学術雑誌・学会報告等で公表する。
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