研究課題/領域番号 |
16H03488
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
青山 亨 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 教授 (90274810)
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研究分担者 |
田畑 幸嗣 早稲田大学, 文学学術院, 准教授 (60513546)
佐藤 桂 独立行政法人国立文化財機構東京文化財研究所, 文化遺産国際協力センター, アソシエイトフェロー (80454198) [辞退]
原田 あゆみ 独立行政法人国立文化財機構九州国立博物館, 学芸部企画課, 室長 (20416556)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 東南アジア古代史 / 東南アジア考古学 / 東南アジア美術史 / 東南アジア建築史 / 東南アジア刻文研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、東南アジア史の12・13世紀を中心としたその前後を含めた時代に焦点をあて、インド化された諸国家が最盛期を迎える一方、上座仏教やイスラームによる王権原理の再編が始まる転換期の実態を明らかにすることを目的とする。 今年度は、5月13日に早稲田大学、7月9日に京都国立博物館、10月1日と12月17日に早稲田大学で計4回の研究会を開催し、研究報告と議論を積み重ねた。研究報告は原則として一般公開として、他分野の研究者との意見交換および一般聴衆への研究成果の還元を促進した。 研究会での議論を踏まえて、2月25日から3月10日にかけて、考古学、美術史、建築史、刻文研究、文献史学の専門家と現地の専門家による共同調査隊によってカンボジア、ベトナム南部から中部、ラオス南部における考古学的遺跡および遺物の調査をおこなった。この調査により、1)現在の国境を越えてメコン・デルタに分布する「オケオ文化圏」の広がりの確認、2)ベトナム中部とラオスを結ぶ伝統的陸路の確認、3)ラオス南部におけるクメール遺跡の現状確認をおこなうことができた。とくにベトナム沿岸部とメコン川流域を結ぶ陸路網の分析は、研究対象とする時代の歴史動態を考えるうえで重要であり、最終的な研究成果に織り込まれることが期待される。 共同調査とは別に考古学専門家によるカンボジアの遺跡調査および建築史専門家によるミャンマーの伝統建築の調査も実施した。これらの調査の成果は研究会での報告を通じて、研究に還元された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り研究会の開催を積み重ねている。研究報告を原則として一般公開にすることで他分野の専門家との意見交換および一般聴衆への研究成果の還元を実現している。 個別の現地調査を実施するとともに、共同調査においてはインドシナ3国の広域を集中的に調査することで、研究テーマに関する知見を深めることができた。なお、当初計画では、共同調査にはタイのチャオプラヤー川下流域を対象としていたが、タイを専門とする研究者の都合がつかなかったため、次年度以降に対象とすることにし、今年度はラオスを対象に含めることにした。
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今後の研究の推進方策 |
今後も研究会の開催を積み重ねることで、研究者間の知見の共有と認識の深化をはかっていく。個別調査を継続するとともに、共同調査においては東南アジアおよび周辺地域での広域調査を継続する。とくに次年度においては、編年枠組みの方向性について検討し、最終年度の成果作成に備える予定である。
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備考 |
扶南からマジャパヒトまで、文献・刻文・考古・美術・建築など諸分野横断的方法により、個別地域を東南アジア史のなかで捉えなおす。
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