研究課題/領域番号 |
16H03497
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
剣持 久木 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (60288503)
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研究分担者 |
吉岡 潤 津田塾大学, 学芸学部, 教授 (10349243)
近藤 孝弘 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40242234)
西山 暁義 共立女子大学, 国際学部, 教授 (80348606)
川喜田 敦子 中央大学, 文学部, 教授 (80396837)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 公共史 / 映画 / 歴史教科書 / ヨーロッパ / 歴史教養メディア |
研究実績の概要 |
1年目は、これまでの研究を踏まえたあらたな研究体制の構築につとめている。歴史教養メディアの分析については、剣持と西山が2016年7月にフランス映画『奇跡の教室』日本公開に先立って、試写会+シンポジウムを開催し、フランスからは歴史地理教員協会のHubert Tison事務局長を招請し、日本側からは歴史教育者協議会の山田耕太氏のコメントを交えて討議した。同シンポジウムの模様は、日本側とフランス側でそれぞれ公刊される予定である。ドイツ・ポーランド共通教科書については、同教科書が6月にようやく刊行されたのを受けて、吉岡、川喜田、近藤が教科書の内容分析に着手するとともに、川喜田は、Igor Kakolewski氏(ポーランド学術アカデミー)にインタヴューをして刊行の経緯と今後の予定についての情報提供をうけた。また近藤は、同教科書完成式典の会場となったロベルト・ユンク高校(ベルリン)を訪問し、校長や歴史担当教員らにインタビューしている。歴史博物館については、剣持と西山が8月に帝国戦争博物館(ロンドン、マンチェスター)とインフランダースフィールズ博物館(イープル)を視察している。剣持はさらに、2017年3月にヴェルダン記念館、ウィーン軍事史博物館およびレジスタンス博物館(リヨン)を視察している。さらに前年度までの共同研究の成果の公刊、編集作業に着手しており、2016年度中に原稿集約作業をほぼ終了し、現在は、出版社の編集担当者と、2017年中の刊行予定で編集作業の相談をすすめている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実施計画で掲げた三つの柱のうち、歴史教養メデイアの分析と歴史博物館の調査は順調であるが、ドイツポーランド共通教科書の研究については、若干遅れている。同教科書は昨年6月に刊行はされたものの、現時点では現場での使用が確認されていない。同教科書の刊行セレモニーが行われたベルリンの高校ですら、昨年時点は使用されていないことを確認している。したがって、教科書使用現場の視察は初年度は行っていない。ドイツあるいはポーランドいずれにおいても、同教科書の使用が確認され次第、視察に赴く予定である。また、使用開始が進まない理由についての調査もすすめる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
共通教科書の現場での使用が確認され次第、現地視察を実行する予定である。また、今年度は、近藤と川喜田がヨーロッパで在外研究を実施するので、それぞれ現地での研究ネットワークの構築を行う予定である。
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