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2019 年度 実績報告書

青いウィーンにみる「最底辺」社会層の生活史―「下」からのグローバルヒストリー研究

研究課題

研究課題/領域番号 16H03500
研究機関明治大学

研究代表者

水野 博子  明治大学, 文学部, 専任教授 (20335392)

研究分担者 小澤 弘明  千葉大学, 国際教養学部, 教授 (20211823)
木村 真  日本女子大学, 文学部, 研究員 (20302820)
江口 布由子  高知工業高等専門学校, ソーシャルデザイン工学科, 准教授 (20531619)
鈴木 珠美  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (20641236)
藤井 欣子  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 研究員 (30643168)
古川 高子  東京外国語大学, 世界言語社会教育センター, 助教 (90463926)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2020-03-31
キーワードウィーン / 移民 / 貧困 / 社会格差 / 下からのグローバリゼーション / 共生の技法
研究実績の概要

研究プロジェクト最終年度の2019年度は、以下のような手順で研究を進めた。
1.文献・史資料・データ調査:ウィーンの下層労働者世界の史的展開を確認するため、2名のプロジェクトメンバーを派遣した。まず、第一次世界大戦後の社会民主党市政誕生から100周年を記念して行なわれた「赤いウィーン」関連事業に関する調査を通して、移民を中心とする現在の下層労働者世界がそこに演繹的に投影され、1920年代の歴史的記憶もまた「上書き」される新自由主義的な戦略とそうした動きへの対抗文化の形成について、検討した。次に、ベオグラード及びウィーンではコソヴォ問題並びに移民に関する書籍・雑誌記事等を調査した。またウィーンではかつて移民・難民として移住し、現在はウィーン市民として暮らす南スラヴ系移民へのインタビューを実施した。特にサッカークラブSrbija Wien及び2つのセルビア正教会を訪れ、これら二つの組織が現地のセルビア人移民社会における人的紐帯や、セルビア人アイデンティティを維持するための生活密着型の要所として重要な役割を担っていることを確認する一方、マジョリティ社会との共生を促進する機能をも果たしていることが明らかとなった。他方、オーストリア市民権を認められている歴史的マイノリティと移民・難民の人びとの間の協力関係及び移民社会における最貧困女性らへの実態調査並びに支援状況についての補完的調査は、残念ながら新型コロナウィルス感染症拡大のため断念し、調査済みの結果を踏まえて総合した。
2. 研究成果の分析と総合:これまで個別に収集・調査した研究成果の総合に重点を置き、意見交換を実施した。その結果、共通の言語や歴史的体験などを通した社会ネットワークが最底辺社会層、とりわけ(移民)労働者世界の「下」からのグローバル化を支え、都市内に生じる格差社会に対抗するための共生を可能としているとの結論を得た。

現在までの達成度 (段落)

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

令和元年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (13件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 2件) 図書 (6件)

  • [雑誌論文] 「20世紀初頭オーストリアにおける労働者たちの登山思想」2020

    • 著者名/発表者名
      古川高子
    • 雑誌名

      『日本山岳文化学会』

      巻: 17号 ページ: 13-26

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「国民化される「内部の自然」―「赤いウィーン」市政下の自然の友による受容と抵抗―」2019

    • 著者名/発表者名
      古川高子
    • 雑誌名

      『東京外国語大学論集』

      巻: 98号 ページ: 13-38

  • [雑誌論文] 「戦間期オーストリアにおける登山思想―労働者登山家協会自然の友のリベラル性―」2019

    • 著者名/発表者名
      古川高子
    • 雑誌名

      『東京外国語大学論集』

      巻: 99号 ページ: 16-38

  • [雑誌論文] 「歴史学研究会における男女共同参画」2019

    • 著者名/発表者名
      小沢弘明
    • 雑誌名

      『歴史学研究 増刊号』

      巻: 989号 ページ: 204-208頁

  • [雑誌論文] (鼎談)「1989年を世界史的に考える」2019

    • 著者名/発表者名
      小沢弘明・永原陽子・鈴木茂
    • 雑誌名

      『思想』

      巻: 1146号 ページ: 22-47

  • [学会発表] 「誰が景観を享受できるのか?戦間期オーストリアにおける山岳ツーリズムの発展と自然景観」2020

    • 著者名/発表者名
      古川高子
    • 学会等名
      , 三鷹ネットワーク大学・東京外国語大学企画講座, NPO 三鷹ネットワーク大学推進機構, 2020年2月22日
    • 招待講演
  • [学会発表] 「もう一つの世紀末ウィーン 多「民族」における人々の暮らし」2019

    • 著者名/発表者名
      古川高子
    • 学会等名
      , 府中市立図書館講演会, ルミエール府中, 2019年10月13日
    • 招待講演
  • [図書] 羽場久美子編『東欧文化事典』丸善出版、2021出版予定2021

    • 著者名/発表者名
      藤井欣子
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      「ボーダーランドとしての東欧」
  • [図書] 「第二次世界大戦終結後の、東欧、東中欧および南東欧からのドイツ系避難民および被追放民」穐山洋子、東風谷太一、増谷英樹ほか訳『ヨーロッパ移民事典』2021

    • 著者名/発表者名
      アルント・バウアーケンプファー著、藤井欣子訳
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      東京外国語大学出版会、2021出版予定
  • [図書] 戦後オーストリアにおける犠牲者ナショナリズム2020

    • 著者名/発表者名
      水野 博子
    • 総ページ数
      402
    • 出版者
      ミネルヴァ書房
    • ISBN
      9784623088621
  • [図書] 「『移民問題』『難民問題』の起源――ドイツ領南西アフリカ/ナミビアを中心に考える」, 児玉谷史朗・嶋田晴行・佐藤章(編著)『(仮題)地域研究へのアプローチ:グローバル・サウスから読み解く世界情勢』2020

    • 著者名/発表者名
      柴田暖子
    • 総ページ数
      未定
    • 出版者
      ミネルヴァ書房、2020年10月出版予定
  • [図書] ボスニア・ヘルツェゴヴィナを知るための60章2019

    • 著者名/発表者名
      柴 宜弘、山崎 信一
    • 総ページ数
      388
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      9784750348476
  • [図書] 失われた子どもたち―第二次世界大戦後のヨーロッパの家族再建―2019

    • 著者名/発表者名
      タラ・ザーラ著、三時眞貴子、北村陽子、岩下誠、江口布由子訳
    • 総ページ数
      488
    • 出版者
      みすず書房
    • ISBN
      978-4-622-08868-4

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公開日: 2021-01-27  

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