7世紀の終末期古墳について、墓室の設計に用いられた尺度が高麗尺か唐尺かにより630年前後の前か後かを判別でき、墳丘については偶数値か奇数値かで7世紀前半か後半かを識別できる見通しを得た。これは7世紀代の古墳の年代判別における基準となり、今後、各地の終末期古墳の年代について見直しが進められるであろう。 本研究により、大化の薄葬令の規定は、造墓規制の上で有効に働いているとの見通しが得られた。大化改新について、近年では、難波長柄豊崎宮を造営し、中央官制や地方統治制度の骨格を整備したものと評価されるようになっているが、大化の薄葬令が遵守されていることは、孝徳期10年の評価にも一石を投じるものとなる。
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