研究課題
・最終年度は2018年度末に行われたシンポジウムの成果を基にして,近年の沿岸漁場管理をめぐる状況の認識,漁場をめぐる利害関係者の社会地理学的な観点やガバナンス論,社会ネットワーク論との接続,漁業協同組合合併の地域差と合併後の村落組織の意義,寒冷適応型の資源の北方移動や内海環境の貧栄養化,被災地復興,温暖化による生態系変化における漁業者の知識,労働力のネットワークの意義などについて議論を深めた。これらの議論をもとに共著書の編集を2019年度に開始したが,年度末からコロナ禍により編集会議の延長を余儀なくされた。・2020年度に延長後,リモートでの編集会議が可能な体制をつくり,具体的な編集作業を再開した。海外への研究発信のために本研究の意義を再度次のように確認した。1.日本の沿岸資源管理制度に関する著書は2000年以降に散見されるものの,人口減少,市町村合併や漁協合併,沿岸環境や資源変動に着目した著書がみられないこと。2.本研究は両者の視野に入れた実証研究を主体としており,研究事例としての意義が高いこと。これらの見地から,日本の沿岸地域の漁場ガバナンスに対する一般的なモデルを提示するには時期尚早であるが,地域変化の新たな文脈と実態調査を提示することで今後さらなる事例を分析するための参照枠を提示することに重要性があるとの結論に至った。編集後は日本地理学会英文叢書編集委員会の査読を経て,複数回の会議を開いて改訂をおこなったほか,海外の共同研究者とも意見交換をおこなって編集の参考とした。
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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