研究課題/領域番号 |
16H03543
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
原田 大樹 京都大学, 法学研究科, 教授 (90404029)
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研究分担者 |
藤谷 武史 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 助教授 (90313056)
興津 征雄 神戸大学, 法学研究科, 教授 (10403213)
村西 良太 大阪大学, 高等司法研究科, 准教授 (10452806)
大西 楠・テア 専修大学, 法学部, 准教授 (70451763)
横溝 大 名古屋大学, 法学研究科, 教授 (00293332)
浅野 有紀 同志社大学, 司法研究科, 教授 (70272937)
吉政 知広 京都大学, 法学研究科, 教授 (70378511)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | グローバル化 / 政策実現過程 / 法執行 / 紛争解決 / 投資協定仲裁 / グローバル地方自治 / グローバル行政法 / 国際的行政法 |
研究実績の概要 |
グローバル化に対応する法理論構築作業として,広義の法執行を中心に,次年度に予定している紛争解決についても検討を行った。 まず,第4回研究会においては,国際公法とりわけ国際経済法に造詣が深い伊藤一頼・北海道大学准教授[国際法]を迎え,国際投資保護制度が生み出す公法上の諸原則とその正統性問題について議論を行った。次に,第5回研究会においては,国際公法における「間接収用」概念について近時注目すべき研究を公表している新谷里美・日本学術振興会特別研究員(DC1・東京大学)[国際法],国際公法の観点から国際法と国内法に関する長編論文を公表した松田浩道・ICU助教[国際法],社会保障の域外適用の問題に取り組む太田匡彦・東京大学教授[行政法]の3名のゲストスピーカーを迎え,活発な議論を行った。 また,分担研究者の具体的な研究成果と結びつけるべく,第4回研究会の際に報告会を開催し,その成果を社会科学研究69巻1号に特集号の形で掲載した。まず,政策実現過程のグローバル化が国家中心の思考を相対化させることとの関係で,「国家なき行政法」の可能性を検討するとともに,地方公共団体がグローバル化の中でどのような位置づけを持ちうるかを検討した。次に,エンフォースメントの領域では,経済法・租税法における行政連携の問題を掘り下げるとともに,ウィーン売買条約を素材とする私法ルールの統一と裁判所における取り扱いの問題を検討した。さらに,紛争解決・権利救済の局面では,国際的な仲裁のあり方に注目し,国際商事仲裁における公益の問題を取り上げるとともに,公法学の観点から投資協定仲裁の許容性や許容条件を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度は,当初来年度に予定していた紛争解決のグローバル化に関する検討も精力的に実施し,また研究成果を社会科学研究(東京大学)に特集号の形でまとまって掲載することができたため,当初の計画以上に進展しているものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
3年目となる次年度は,2年目でまとめた研究成果をさらに深化させつつ,総論構築に向けた作業を行い,国際ワークショップを開催して,その成果を国際的にも発信できるようにしたい。
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